家族信託ってなに?

最近、テレビや雑誌などでも「家族信託」がテーマとして取り上げられることが増え、銀行などでも紹介される機会が多くなっていている「家族信託」。多少なりとも興味をお持ちの方はいらっしゃるのではないでしょうか?
では「家族信託」とは一体どんなものなのでしょう?
簡単に言ってしまうと家族信託とは「親が元気なうちに子に財産の管理を任せる仕組み」です。
例えば将来、親御さんの判断能力が喪失してしまうと、親御さん自らが売主として不動産の売却が出来なくなってしまったり、自分で預貯金の解約や払い戻しが出来なくなってしまい、財産管理をすることが難しくなってきます。そうなってしまってから困ることがないように、予め子供が万全の管理をしておく仕組みです
まずは、どんな方に家族信託があると良いのかお伝えいたします。

家族信託をおすすめしたい方

①老親の生涯を家族・一族で支える仕組みを作りたい
こちらには「負担の少ない柔軟な財産管理」の実現が必要です。家族が負担をかけずに老親の今後の生活費や入院・入所費用を管理・給付したいという希望をお持ちの方を言います。
②老親が持つ不動産をいつでも売れるようにしたい。
こちらは必要なのは「認知症による資産凍結回避」です。今後老親が認知症や大病により理解力が低下してしまった場合はお持ちのアパートの売却・買い替えがスムーズにできなくなってしまいます。そうならないように事前に対策をしておきたい方。
③円滑に遺産相続をしたい
こちらは「円満・円滑な資産承継」の実現です。将来相続が発生したときに家族・親族が遺産争いをすることなく、故人の「想い」と財産をスムーズに引き継がせたい・受け継ぎたいという希望がある方。

家族信託のメリット

では、具体的に家族信託のメリットとは、どんなものがあるのか3つお伝えします。
①親が認知症になっても柔軟な財産管理ができる。
先ほども少しお伝えしましたが、親御さんの判断能力が喪失してしまった場合、例えば認知症になってしまった場合は、「資産が凍結」されてしまい親御さんが御自身で不動産を売ったり預金を下ろしたり出来なくなります。家族信託の良いところは親が認知症になっても資産が凍結されず、相続対策を含めた財産の活用や組み替えが制約なくできる点です。
②遺産の承継者を何段階にも指定することができる。
これは、親御さんが亡くなったあとの遺産の行き先について、2段階、3段階と指定ができるということです。遺言書でも遺産の行き先を指定することは出来ますが、遺言で指定できるのは直接渡す相手のみなので、奥さまに渡してから、子に渡すというところまでは指定できません。
なので、ゆくゆくは子に渡したいと思っている場合であれば、奥さま自身が遺産の行き先を子に指定する必要があります。万が一奥さまが遺言を残さないで亡くなってしまった場合は、「遺産分割協議」をする必要があります。
他にも、遺産を渡す相手が認知症や障害者の場合には遺言を書けないので、その本人に代わってその先の遺産の受取人まで指定できるのも良いところです。
③共有不動産のトラブルリスクを解消できる。
不動産の共有は多くのリスクがあると言われますが、例えば3人で共有の賃貸アパートの老朽化と入居率低下が進んだ場合に、家賃収入も減り修繕費もかさむので、2人は賃貸アパートを売ってお金を分けたいと思っても、1人が売却に反対した場合その反対者の協力が得られなければアパートの売却をすることができません。
そんなときには「家族信託」が利用できます。
家族信託を利用して、アパートの管理処分権限を1人(=受託者)にして、アパートからの収入を複数で分け合う(=受益者)ようにしておけば、売却したいときには受託者1人の判断で行うことができ、共有不動産をめぐる将来の紛争予防をすることができます。

家族信託三つの注意点

メリットが多い「家族信託」ですが、家族信託を利用する上で理解しておきたい注意点が3点ほどあります。
①家族信託は「契約」になりますので、契約を結ぶ当事者である親と子が契約の目的と効果を理解していないと契約を結ぶことが出来ません。
つまり、親御さんの認知症か進んでしまっているような場合は家族信託が出来ません。
②受託者(託された財産の管理や処分を行う人)になる子は、あくまでも財産の管理、処分を担うだけなので、管理を託した信託財産は、受益者(信託財産から経済的な利益を貰う人)である親の財産であることは変わりありません。
③管理をするアパートの家賃等の信託財産から得られる利益は受託者(子)の手元に入ってくるようになりますが、利益は、受益者(親)の収入であることには変わりがないので、親の確定申告が必要になります。

今回は「家族信託」のメリットや、注意点をお伝えしました。
家族信託は、信頼のできる家族に財産の管理を任せることで「老後の安心」と「円満な資産承継」の二つを実現できる効果を持っています。
またご自身の身の回りに信頼できるご家族がいない場合などは、「家族信託」に近い仕組みで「成年後見制度」を利用することが考えられます。
その他にも親御さんが認知症になってしまった場合に生活、療養、介護などに関する法律行為に関しては「家族信託」では賄えないため「成年後見制度」で補うという「家族信託」と併用をする場合もあります。
今後も「家族信託」や「成年後見制度」についてはブログでも取り上げて参りますので、ぜひ参考にしてみてください。

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