家族信託の手続きは難しい?費用は?

前回のブログでは「家族信託」についてお伝えさせて頂きました。
ブログを読んで少しでも「家族信託」に興味を持っていただけていたら嬉しいです。
興味が出てくると、「家族信託」ってどういう手続で契約できるのか?費用はいくらぐらい掛るものなのか気になってきますよね。
今回は、家族信託を利用する際に掛かる費用や手続き方法についてお伝えしていきます。

家族信託の手続き

「家族信託」を導入するまでの期間ですが、ご相談を受けてから信託契約公正証書の作成までは最短でも1ヶ月半程度掛かりますが、緊急の場合には公正証書にしない代わりに1~2週間で作成することも可能です。
作成をする前に、まずは本人だけでなくご家族の気持ちも聞いて、それを実現するために家族信託、遺言、生前贈与などの手段を組みあわせて設計していくようになります。
場合によっては、一年以上かけてじっくり検討していくケースもありますので、期間についてはそのご家族の家族構成や状況、財産内容によってまちまちになります。


最初のご相談者との打ち合わせ・検討内容としては、
①保有資産の概要
②家族の関係性(親族関係・円満度・住所地・家族会議を開くことができるか)
③本人・家族の希望(相談の目的(老後の財産管理、親なき後問題対策、円満な資産継承、不動産の共有対策など))
家族会議を開催することで、家族間の家族信託の仕組みに対する同程度の理解やご家族それぞれの希望の共有をすることが大切です。
そしてわたしたち専門家も、ご本人とご家族のご希望をしっかりと理解した上で家族信託の設計をして参りますので、原則的に家族会議に同席させていただいています。
家族会議では、
①希望を実現するために取り得る選択肢の比較検討
・家族信託の基礎知識の説明
・メリット・問題点・リスクなどの抽出
・家族信託の利用がベストな選択か?
②家族信託・遺言・任意後見などのプラン設計
③家族信託契約書・遺言書などの文案作成・修正協議
・文案の読み合わせ
・公正証書作成に向けての準備
・公証役場に見積もり依頼・日時の指定
信託契約公正証書・遺言公正証書の作成
公証役場にて行うか、公証人の出張にて行います。
公正証書ができあがりましたら、信託契約に基づき不動産登記手続きを行います。
信託財産として管理を託した不動産につきましては、管理権限を持つもの(受託者)の住所・氏名を登記簿に記載する手続きをします。(信託登記)
以上が大まかではありますが、家族信託の手続きになります。

家族信託の導入費用

では、次に肝心な費用についてお伝えして参ります。
①第1の費用
まずは、第1の費用として遺言や任意後見、贈与なども絡めた解決案を提案・実行する「家族信託の設計コンサルティング」にかかる専門家報酬があります。
この報酬額は信託財産の評価額で変わってきます。
信託財産とは、信託契約で管理を託す財産の評価額・不動産なら固定資産税評価額をもとに算出します。
この報酬をコンサルティングに関わる専門家でシェアをします。
報酬額については、信託財産の評価額によって変わってきますが20万円から60万円くらいまでと幅広いです。これは、誰にコンサルティングを依頼するかによって変わってくる部分でもあります。
「家族信託の設計コンサルティング業務」を排他独占的に行なっている専門業種はないため、行政書士・司法書士・税理士・弁護士など法律系士業を中心に行われています。
信託契約公正証書の作成には、報酬の他に実費として公証役場の手数料がかかります。こちらも信託財産の額で手数料が変わります。

目的の価額手数料
1,000万円を超え3,000万円以下29,000円
3,000万円を超え5,000万円以下29,000円
5,000万円を超え1億円以下43,000円
1億円を超え3億円以下43,000円に5,000万円ごとに
13,000円が加算されます。
3億円を超え5億円以下95,000円に5,000万円ごとに
11,000円が加算されます。
さらに、証書の枚数による手数料の加算があります。
法律行為に関わる証書の作成についての手数料については、証書の枚数が法務省で定める枚数の計算方式により4枚(法務省令で定める横書きの証書では3枚)を超えるときは、超える1枚ごとに250円が加算されます。

②第2の費用
信託財産に不動産がない場合は第1の費用のみで収まります。
第2の費用は、信託財産にアパートやマンションなどがあると、その名義人を委託者(親)から受託者(子など)へと変更されるので、その旨を登記する必要があり登記の費用がかかります。
信託の設定に伴う「所有権移転及び信託」の登記は、土地は固定資産税評価額の0.3%(軽減税率適用中)、建物は固定資産税評価額の0.4%かかります。
その際に信託登記に関する司法書士への登記手続き報酬も必要です。
報酬額については、書く司法書士事務所により異なってきますが、信託登記は売買や相続登記に比べて精査・登記すべき分量が多いので通常の所有権移転登記よりは報酬が高くなるのが一般的です。信託財産が高額なほど、報酬が高くなるのが一般的ですが、10万円以上であるケースがほとんどのようです。

おおよそのお見積もり概算額のイメージとして、不動産を信託財産に入れた場合に第1・第2の費用を含めた総費用額は、
固定資産税評価額の約1.2%〜2%です。

費用についてまとめますと、家族信託を導入する際に必要な総費用としては、信託財産の価格にもよりますが、最低でも数十万から多い時で数百万くらいかかることになります。
家族信託を導入しようか考える際に、やはり気になってくるのは費用面のことだと思います。
費用をなるべく抑えたい場合、基本的に委託者と受託者の契約さえあれば専門家を介せずとも契約を結ぶことは可能です。
しかし、それによってトラブルを招くことにもなりかねません。
例えば、「費用が高いから」「面倒そう」などといった理由で自分たちだけでやってしまうと、必要以上に時間が掛かってしまったり、せっかく契約書を書いたのに内容に不備があったり、適正な書き方をしなかったために契約自体が無効になってしまうこともあります。
専門家に頼まなくても「家族信託」を導入することは可能です。
ただ、家族信託の良いところでもありますが、信託実行後には家族が負担を担うことになるため、運営コストはほぼ掛かりません。まとまった初期コストを負担すれば、その後何十年・何世代と続く財産管理と資産承継の仕組みが作れますので、長期的に見ればコストは決して高くないものかと思います。

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