おひとりさまの医療・介護

前回のブログ「おひとりさまの人生終盤の過ごし方」では、人生終盤を迎える前に「4つの心得」を備えておくと良いことをお伝えしました。
今回はその中から、①医療・介護についてお伝えをしていきます。
ひとりで生活をしていて、ふと考えることは、人生の終盤になって同居家族もいない状態で、病気になってしまったり、体が不自由になってしまったらどうしよう?
そうなってしまったら、その後のことを誰に託したらいいのか?ということは大きな気がかりになります。

終盤期に託せる人はいますか?

特に、認知症などで判断能力がなくなったときのことを考えておく必要があります。そのためには医療行為や介護の判断を「託せる人」を決めておくと良いです。
おひとりさまにとって、自分が意識不明の状態に陥ったときに医療行為の意思決定を誰が代行してくれるのかは、気になるところです。実際に、医療現場では家族や親族の判断が重要視されていますが、疎遠な家族や親族よりも信頼のおける親友に「もしも」のときの医療同意を頼みたいというニーズもあります。
そもそも、医療に関する同意見・決定権は本人が有しています。
そのため、本人が意思能力を失ったときや意識不明などで同意能力がないときに、誰が代わりに意思表示をするのかが問題になってきます。
医療同意権については法律の定めがないので、各医療現場では慣習的に家族や親族に同意を求めている状況なのです。
ただ、2018年には「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」が改定され、人生の最終段階における医療・ケアのあり方、方針の決定手続きが説明されています。そこでは、本人が医療の意思決定を伝えられない状況になったときに、それを推定する者について「家族以外の存在」が明記されました。
「家族以外の存在」とは、「家族とは、今後、単身世帯が増えることを想定し、本人が信頼を寄せ、人生の最終段階の本人を支える存在であるという趣旨なので、法的な意味での親族関係のみを意味せず、より広い範囲の人(親しい友人となど)も含み、複数人存在することも考えられる」と書かれています。
「もしも」のときの医療同意を頼める相手として「親しい友人」なども選択肢として考えられるようになってきました。
ただ、別のところでは親族・友人などには「迷惑をかけたくない」などという気持ちが強く頼みにくいという人も少なくありません。
そんなとき注目したいのは自治体のネットワークです。
最近では、行政も高齢者などへの「見守りネットワーク」の構築に力を入れています。
相模原市でも「高齢者支援センター」を配置し、高齢者の保健・福祉・介護についての相談を本人のより身近なところで受けることができるようにしています。
親族や友人には頼りにくいという方は、そういう地域のネットワークを活用して「終盤期から死後を支えてもらうシステム」を作っていくことが必要です。
私たち行政書士自身も「見守り契約」「任意後見契約」「死後事務契約」などでサポートすることができるだけでなく、業務の幅が広いことを活かして、さまざまな専門家、機関の仲介役としてサポートを広げて行くことができます。

最期にどこで暮らしたいかを決めておく

「最期は自宅で過ごしたい」と希望する場合は、周囲からの何らかの配慮や支援が必要になってきます。
現在では、介護保険によるサービスに加えて、多くの自治体では一人暮らしの高齢者への支援を提供しています。
自治体の支援を利用したい場合は、本人や家族が本人の住む市区町村の窓口に相談するのが基本です。
ひとり暮らしの本人にとって、どのような配慮や支援が必要で、またあった方がいいものかをお伝えいたします。
①見守りや安否確認の体制作り
家族と連絡を取ることや、近所の人と挨拶を交わす、定期的に出かける場所を作るなど常に誰かとコミュニケーションをとることは「生きがい」といった意味でも必要ですが、人とのつながりを保ちことで常に安否確認ができ、緊急時にすぐに連絡が取れようにしておくことが必要です。
②食事をきちんと取り、健康を保つ
低栄養による体力低下や病気を防ぐため、毎日3食のバランスの良い食事は欠かせません。
また、食事中の窒息などの事故を防ぐための工夫やそうした事故の早期発見、実際に毎日きちんと食べているかの確認も大切です。
③緊急通報システム
高齢になると、転倒がきっかけで骨折など大怪我になることも多く、回復にも時間がかかりますし、そのまま寝たきりになってしまうこともあります。そのため、転倒を防ぐことと、万が一転倒事故があったときには早期にかけつけ対応することが必要です。事故に備えた緊急通報システムの設置、必要に応じてバリアフリーリフォームや杖を置いておくなど検討をします。

この三つの中で、自治体がもっとも大事な支援として考えているのは、やはり①の「安否確認」ではないでしょうか?
全国のほとんどの市区町村で行われているのが「人とのつながり(見守り・安否確認)」を保つためのサービスです。このサービス内容は、電話を利用したものや緊急通報装置の設置、委託業者による見守りなど自治体によってさまざまですが、最近ではIT技術を取り入れるなど、各地で創意工夫がされています。
相模原市では、ペンダント方式の押しボタンで自動的に119番通報できる装置を自宅に設置するサービスがあります。この際に、事前にかかりつけ医や家族・協力員の連絡先などの情報を登録しておき、通報があった場合に速やかな対応ができるようにしています。他にも、安否確認の一つとして「電話訪問サービス」などがあります。
そして②の「きちんとした食事」に関しては、高齢者向けの食事宅配サービスも多くの自治体で行われています。宅配と同時に安否確認もできるので活用されているサービスです。
相模原市では、1食500円で利用できます。(申請先は高齢者支援センターなど)
最後に③について、転倒事故を早期に発見するには見守りや安否確認がカギになります。
転倒防止の対策としては、手すりの設置や段差をなくすなどのバリアフリーリフォームや福祉用具、補助具の活用といったものも介護保険サービスに加えて自治体の支援を受けられます。

歳を重ねて行くと、どうしても人の支えが必要なケースが増えてきます。
しかし、それは当然のことだと思います。「迷惑をかけちゃいけないな」「ひとりでこれぐらいのことはやらなきゃ」などと考えすぎずに、人の助けを借りられるところは借りて、がんばるところは頑張って、無理をせずにいきましょう!!
わたしたち、行政書士も「頼れる街の法律家」としてみなさん側におりますので困ったことがございましたら、お気軽にご相談ください。



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