おひとりさまの死後整理

これまで、おひとりさまが人生の終盤に備えておくと良い「4つの心得」について、①医療・介護、②財産管理についてお伝えをしてきました。
今回は③死後整理についてお伝えをして参ります。

葬式・墓・遺品をどうするか決めておく

おひとりさまの場合、ご自身が亡くなったあと自分の遺骨をどこに納めるか、お葬式の方法、遺品を譲りたい人などを生前に考えておく必要があります。
お墓の場合は、親族のお墓があってそのお墓入る場合は事前に親族に声をかけておくと良いです。
また、お墓を持っていない場合は遺骨の納先を決めておく必要が出てきます。最近では、寺院墓や霊園のほかにも、墓跡の代わりに樹木や花を植えて墓標とし、遺骨は土に埋葬する「樹木葬」などもあります。「樹木葬」の中でもいろいろと種類があり、一本の木の周辺に複数の遺骨を埋葬する「合祀型」、一本の木を中心に植え、その周辺に複数の区画を設けて、その区画ごとに遺骨を埋葬する「集合型」、区画ごとに木を植えてその根元に故人ひとり分の遺骨を埋葬する「個別型」などがあります。また、樹木葬の墓地がどこにあるかで「里山型」と「公園型」に大きく分けられています。
他にも遺骨を海や山に散骨するという方法もあります。

そしてお葬式にも、さまざまな種類があります。
昔から執り行われている「一般葬儀」は家族・親族だけではなくご友人・職場関係者・近隣住民など幅広い人に参列してもらうものです。
他には、会社の代表者が亡くなった場合や、社員が殉職した際などに会社全体で行う「社葬」
遺族と共同で執り行う際や複数の会社が施主となる「合同葬」
近年では高齢化や核家族化が進んでいることもあり「家族葬」が増えています。
「家族葬」という名前ですが、こちらは、家族だけでなく親族をはじめ故人と親しかったご友人などが参列する場合もあります。内容として「一般葬儀」と変わることもないので、小規模な一般葬といえます。
「密葬」は家族葬と同様、遺族など親近者を中心に執り行う葬儀ですが、こちらは周囲に死去したことを伏せて行います。「社葬・合同葬」のように、後日「本葬」を正式に執り行うことが前提とされているものを言います。
本来、葬儀は通夜・葬儀告別式の2つは日程を分けて行うものですが、このうち通夜の儀式を簡略化または行わない形で、葬儀・告別式に比重をおいて行う「一日葬」というものもあります。「一日葬」というと一日で葬儀の全てを終わらせてしまうという印象を受ける方もいらっしゃるかと思いますが。実際には準備を含めて複数日にまたがります。通夜の儀式はなくても、前夜は仮通夜として次の日の準備をして過ごすことになります。
通夜や葬儀、告別式を行わず火葬だけ終えてしまうものもあり、こちらは「直葬」と言います。
葬儀会社によって定義は曖昧なのですが、病院などのご逝去先から火葬場に直接移動して行うことを言う場合もあれば、火葬式と呼ばれている場合もあります。

死後の手続き

実際に亡くなった後には、どんな手続きが必要になってくるのでしょう。
まず、人がなくなった場合に必要となるのが「死亡診断書(死体検案書)」です。人が亡くなった時には、亡くなってから七日以内に市町村に死亡の届け出をしなければいけません。この、死亡届に必要なのが「死亡診断書」または「死体検案書」になります。
次に火葬を行うのに必要なのが「火葬許可証」です。
こちらの許可は、死亡届を受理した市町村長が行います。なので、通常ですと「死亡届」「死亡診断書」「火葬許可申請書」を死亡届の管轄の役所へ同時に提出することになります。死亡届の管轄の役所とは、死亡者の死亡地、本籍地または届け出る人の所在地の市役所、区役所、町村役場を言います。
火葬が終わると、火葬場の管理者が「火葬許可証」を戻してくれます。こちらの「火葬許可証」はお墓への焼骨の埋蔵または納骨堂への焼骨の収蔵の際に必要になります。

そのほかの手続きとしては
①医療費の支払い
②家賃・地代・管理費の支払い、敷金・保証金などの支払い
③老人ホームなどの施設利用料の支払い、入居一時金の受領
④借りていた建物などがある場合などはその明け渡し
⑤行政官公庁などへの諸届け
⑥健康保険証、介護保険症の返却
⑦公的年金停止、住民税手続きなど
⑧電気、ガス、水道の解約・返却の手続き
などがあります。
これらは、親族が行う場合や、事前に「死後事務委任契約」を結んでおき第三者に託してしまう方法があります。
「死後事務委任契約」とは、本人が第三者(個人・法人)に対し、亡くなった後の諸手続き、葬儀、火葬、納骨に関する事務についての代理権を付与して、死後事務を任せてしまう契約を言います。
「死後事務委任契約」は第三者が「本人の生前の意思」に基づいて「本人の死後」にその事務を行うことになります。契約時と執行時にはタイムラグがあり、執行時には「本人がいない」ので、注意しなければいけないこともあります。
契約時には「本人の生前の意思」であることを、できる限り明確に契約書に書いておくと良いでしょう。

「死後事務委任契約」については、契約をして「終わり」というのではなく、むしろご本人さまが亡くなるまでの間は「見守り」などを通じて、ご本人さまとの交流が続いていく「ご縁」の始まりだと思います。わたしたち行政書士が「死後事務委任契約」をきっかけとして、ご本人さまの良き相談相手として人生に伴走することができ、ひとりでも多くの方に安心を届けることができたら幸いです。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。