おひとりさまの相続

これまで、おひとりさまが「人生の終盤」に備えておくといい4つの心得として、①医療・介護、②財産管理、③死後整理のお話を書いてきました。今回は最後の心得「相続」についてです。

遺言書を書いておく

ご自身がなくなった後、残った財産をどうするか、どの財産を誰に残すかは書面に残しておくことが大切です。
遺言書については、原則として財産をどのように残すのも自由です。そして、遺言書は書いた後に変更をしたり、撤回をするのも自由です。
ただし、気をつけなければならないことが3点あります。
ひとつ目は、遺言を残すには、遺言をするときに「遺言能力」が無ければいけないということです。「遺言能力」とは、簡単に言ってしまうと遺言の内容を理解することができ、判断することができることです。
病気や高齢になってから残した遺言書ですと、遺言書によって承継する遺産を少なくされてしまった相続人などから「遺言能力が本当は無かったのではないか?」などと指摘され、相続人の間に争いが起こる原因となってしまったり、場合によっては遺言が無効になってしまうケースもあります。
そういったことにならないためにも、遺言書は元気なうちに残しておくと良いでしょう。
ふたつ目は、遺留分による制限があります。
遺留分とは民法が保障している、法定相続人が取得できる最低限度の相続分を言います。(法定相続人にいては後半で説明いたします。)例えば、法定相続人に配偶者と、長男、次男がいた場合に「すべての財産を次男に残したい」というような、他の相続人の相続分まで侵害してしまうような遺言を書いてしまうと、法定相続人である配偶者と長男は自分たち持っている遺留分について請求することができます。
最後みっつ目は、公序良俗による制限です。
公序良俗による制限とは、例えば「愛人に遺贈したい」というようなものです。

遺言書の書き方については、「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」があります。
詳しい書き方については、こちらも併せてご覧ください。

https://asako-office.com/wp-admin/post.php?post=82&action=edit

遺贈先を決めておく

相続人のいない人の財産は、原則として国庫に保管されます。
国庫に保管されてしまうより、自分の財産の行き先は自分で決めたいという人は、遺言によって財産の全部や一部を第三者や団体に渡すことができます。これを遺贈と言います。
近年では、自分の遺産を社会に還元したいというニーズも高まっています。「おひとりさま」の増加や就活ブームに加え、東日本大震災などにより寄付への意識の高まりが背景にあるとも言えます。
2017年の日本財団遺贈寄付サポートセンターが行なった調査によると「5人に1人は、遺贈寄付の意向あり」と答えており、全体の42.6%がおひとりさま、32.8%がふたり夫婦と続いています。これは、「遺贈寄付」が新たな社会貢献の形として注目されていることの表れでもあると言えます。しかし、遺贈に必要となる遺言書の作成状況については4.9%とかなり低い数字となっており、遺贈寄付を考えてはいるものの実際に行っている方は、まだまだ少ない状況です。
これには、子世代で親の遺贈に反対という方が54.1%を占めているのも遺言書の作成が増えない要因かもしれません。

遺贈先を選ぶときには、市町村・宗教団体・学校・慈善施設その他各種福祉施設団体などのホームページやパンフレットが参考になります。団体の資料は必ず収集し、遺贈先として適切かをしっかり確認するようにしましょう。
寄付遺贈を円滑に実現するためには「公正証書遺言」を作成し、遺言執行者を指定しておくことがポイントです。ここでも遺留分への配慮や「みなし譲渡課税」の有無も確認しておきましょう。

法定相続人を把握しておく

遺言書がない場合は、一部の法定相続人には、法定相続分を取り分として主張する権利があります。
事前に、誰が法定相続人になるのかを把握しておくことが大切です。
法定相続人になれるのは、配偶者と血族です。
配偶者は必ず相続人になります。
血族の場合は、血族の中で優先順位が同じ人が複数いる場合は、全員が相続人となります。先の順位の人が1人でもいる場合は後順位の人は相続人になることはできません。
第一順位は子供及び代襲相続人
第二順位は両親などの直系尊属
第三順位は兄弟姉妹及び代襲相続人
代襲相続とは、例えば被相続人に2人の子供がいましたが、子供の1人が孫を残してすでに亡くなっていた場合、この孫が亡くなった子の代わりに相続することを言います。孫が死亡している場合はひ孫が相続します。
兄弟姉妹が死亡している場合は、姪や甥が兄弟姉妹に変わって相続することができますが、姪や甥が亡くなっている場合にその姪や甥の子供は代襲相続をすることは出来ません。
この法定相続人の範囲については、「戸籍謄本」で確認することができます。
実際には、亡くなった方の生まれてから亡くなるまでの連続した戸籍謄本を集めて確認することになります。戸籍謄本については戸籍のある市町村で「法定相続情報一覧図の写し」を当初申出先登記所で入手することができます。交付方法については当該市町村役場または登記所において問い合わせください(郵送交付が可能な市町村もあります。)

こういった手続きについて、時間がなくてご自身では出来そうにもない方、書類関係は苦手で面倒な方などいらっしゃいましたら、私たち専門家にご依頼ください。もちろん、ご相談についても随時受け付けておりますので、お気軽にご相談いただければと思います。

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