おひとりさま信託について

いま、日本では未婚率の増加や、核家族化の影響を受けて、単独世代(世帯主がひとりの世帯)が増加しています。
なんと2040年には単独世帯の割合が40%に達するとも言われています。中でも65歳以上の単独世帯の増加が顕著に表れています。
単独世帯が増加してしまうと、社会的孤立のリスクが高まってきます。
日本に住んでいる単独世帯の高齢者を対象とした内閣府の調査によると、普段の生活で他者との会話がほとんどないと回答した割合は7.0%であり、ふたり以上の世帯の値2.2%や、諸外国の単独世帯(アメリカ1.6%、ドイツ3.7%、スウェーデン1.7%)と比較すると高い水準となっています。単独世帯の増加は、頼りにできる存在が身近におらず、社会的に孤立してしまう人の増加につながるとも考えられています。

そんな高齢者の単独世帯の方の悩み事のひとつとして、自分が亡くなった後の身の回りのこと(死後事務)は、誰にどのように託せば良いのか?というものがあります。どのような解決方法があるのでしょうか?

銀行のサービスを利用する

三井住友信託銀行の「おひとりさま信託」では、葬儀・埋葬・デジタル遺品の消去・家財などの整理・訃報連絡・ペットのことなどをまとめてサポートしてくれます。
「おひとりさま信託」は「金銭信託タイプ」と「生命保険タイプ」の2つのタイプから選べるようになっています。
「金銭信託タイプ」は、最低300万円以上の金銭信託が必要になります。内容としては、
①万が一の時の身の回りのことに関する希望をあらかじめ記録しておき、相続発生後にご希望を実現できるようにします。
②携帯端末へショートメッセージが送付され定期的に安否確認がされます。
③本人が亡くなり相続が発生した際、死後事務に関わる費用を精算した後、あらかじめ本人が指定した帰属権利者に信託財産が支払われるようになります。帰属権利者には、推定相続人の他に三井住友信託銀行が提携する「寄付先法人」の指定が可能です。
④死後事務契約を依頼できる一般財団法人の紹介が受けられます。
死後事務委任契約の費用は別途かかるようになりますが、生前に死後事務委任契約を締結することで、相続発生後、本人との取り決めに従って、葬儀・埋葬の手配など本人の身の回りのことを整理してくれます。

「生命保険タイプ」は、50万円の金銭信託から始められますが、銀行が募集する生命保険に加入する必要があります。
内容は「金銭信託タイプ」とほとんど同じですが、③の項目で違いがあります。
「生命保険タイプ」は、本人が亡くなり相続が発生した際に三井住友銀信託銀行が死亡保険金の請求及び管理を行います。その後、死後事務に関わる費用を精算した後、あらかじめ本人が指定した帰属権利者に信託財産が支払われるようになります。「金銭タイプ」と同様、帰属権利者には推定相続人のほか三井住友信託銀行が提携する「寄付先法人」の指定が可能です。

専門家を利用する

わたしたち行政書士もそうですが、専門家と死後事務委任契約を結ぶことで亡くなった後の身の回りのことについて解決することも可能です。
死後事務委任契約は第三者と結ぶ契約になりますので、専門家に限らず信頼のおける友人がいらっしゃる場合には、そのご友人と死後事務委任契約を結んで亡くなった後のことを依頼することも可能です。
死後事務契約については、こちらを併せてご覧ください。
「おひとりさまの死後事務契約」

遺産については、遺言書にて遺産を寄付する先を指定していただくことで、推定相続人のほか慈善団体や各福祉施設などに寄付をすることが可能になります。その際には、遺言書に書かれたことを実現させるために「遺言執行者の指定」をしていただくことが必要になります。
遺言執行者は「未成年者と破産者」はなることが出来ないと民法で定められています。なので、それ以外であれば法人・個人問わず遺言執行者になることが出来ます。しかし、遺言執行者は立場上、特定の相続人や受遺者の立場に偏らずに、中立的立場で任務遂行ができる人を選ぶ必要があります。

死後事務委任契約と、遺言執行を合わせて利用することで、死後事務契約では出来ない部分を遺言執行でカバーすることが出来ます。
遺言書で遺言できる内容は決められており、それ以外のことを遺言書に記載しても法律上の効果は発生せず、事実上、訓示的な意味しかなくなってしまうところ、死後事務委任契約はあくまでも契約でしかないので、ある程度本人たちの自由に、委任者の死後に受任者が行うべき事務を決めることが出来ます。
この契約を作成することによって、おひとりさまや、あるいは親族はいるけれど疎遠であるため死後の手続きに不安があるという方たちの問題解消の一つになるかと思います。
なお、死後事務委任契約と遺言執行者の受任者が同一人物であれば特に問題はないのですが、両者が違う場合にはお互いの事務の執行について連携していくために、情報の共有が不可欠になってきます。

死後事務委任契約や遺言執行については、当事務所でも随時ご相談を受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください。

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