おひとりさまとは、、?(続編)

1月9日に書いたブログの続きになります。
「思いがけずおひとりさま」「選択的おひとりさま」の悩みについては、こちらのブログをご覧ください。

余儀なくおひとりさまの悩み

①親に介護が必要になったらどうしたら良いか?
親と同居する「世帯内単身者」である未婚の子どもの多くは、非正規雇用で不安定な経済状況であることが多いです。親に頼らざるを得ない子供にとって「親の介護」と「親亡き後の自身の生活」は切迫した問題です。
まず、親の介護で大切なのは、自分ひとりで抱え込まないこと、親の小さな異変に早めに気がつくことが大切です。
相談先としては、「地域包括支援センター」があります。地域包括支援センターは介護についてのいわば総合相談所です。日本各地域にありますので「親の住む市町村(同居する家の市町村)」×「地域包括支援センター」でウェブ検索すると連絡先が見つかるはずです。
「どんな公的介護サービスが使えるのか、無料で相談に乗ってくれます」
地域包括支援センターに連絡した後は、要介護認定の申請と認定調査へ進み、それぞれ必要度に応じてプランを提案してくれます。

介護が始まったら、税金の優遇制度を使って負担を軽減したり、会社員なら介護休暇制度を上手に利用しましょう。
2017年に改正された「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」は、正規雇用者だけでなく、非正規雇用者も介護給料・介護休暇を取得できると定められています。
しかし、介護は終わりの見えないケア労働であることから、休業をいつ取得すれば良いのか判断に困り、制度を利用できない方も多いようです。
「介護休業」は、親を介護するための休業期間ではなく、自分がいなくても介護が機能するように態勢を整えるための期間です。
通算93日間の介護休業を最大3回に分けて取得できます。この間、給料は出ませんが、「介護休業給付」を申請することで、給料の67%が雇用保険から支給されるようになります。
例えば、親が入院することになった場合は、退院後に暮らしやすいように住宅を改修したり、介護申請や調査員との面談、信頼できるケアマネージャーを見つけ、在宅介護の体制づくりをするために1カ月間休業。在宅介護が厳しくなってきたときに、老人ホームを探すために2回目の介護休業を利用。終末期になったら、看取りのために残りの期間を当てるというような介護休業の使い方ができます。

親世代には、元気なうちに遺言書の作成や任意後見契約の締結をお勧めします。
第三者が介入することで、家族内だけで問題を抱え込むことを防ぎやすくなります。介護制度に関する専門家(社会保険労務士、地域包括支援センターなど)への橋渡しを行います。

②困りごとに対応してくれそうな知人、友人がいない
おひとりさまにとって孤立死(孤独死)の不安は切実です。
上野千鶴子さんが「おひとりさまの老後」で書いてあるように、人は急に「孤独死」をするのではありません。孤立した生活を続けてきた人が、孤立した死・孤独な死を迎えることになるのです。
地域のつながりが希薄な現代は、ご近所で互いの安否を確認するような関係性を築くのは難しくなっています。不安定な非正規雇用が増え、職場の人間関係も老後のセーフティネットにはなり得ません。

貧困問題の社会活動家である湯浅誠さんは、困難を抱えたときにわたしたちを守ってくれるものを「溜め」という言葉で表現しています。「溜め」の喪失は貧困に直結します。
金銭的な「溜め」、人間関係の「溜め」、精神的な「溜め」など「溜め」状況は人それぞれです。どのような「溜め」に守られているのかによって、困難な状況を乗り越えられるか否かが左右されると言えます。
「溜め」の獲得と意地が安心した老後を支える重要な要素です。

前回の「おひとりさまとは、、?」のブログでも紹介しました「りすシステム」も「溜め」の一つを担うものです。そのほかに、行政でも高齢者等の「見守りネットワーク」の構築に力を入れています。自治体で差はあるものの、区市町村・地域包括支援センター・地域住民のネットワークが相互に連携し見守り活動を行う仕組みづくりが整えられつつあるといえます。

終末期には、家族・友人・医療従事者・福祉関係者・各専門士業・葬儀業者などが当事者を中心にチームを組み、当事者の情報を共有・相互監視を行いながら死をサポートしてもらえる環境づくりを作ることが理想です。

我々行政書士も、その業務の幅の広さから「サポートチーム」の「司令塔」の役割を担って行けるように、書面作成だけでなく、様々な専門家、機関との仲介役として相談者と付き合う仕組みづくりを作ってまいります。

③ひとりで賃貸物件に住み続けられるのか不安
これまでも、おひとりさま高齢者の賃貸住宅への入居の難しさはお伝えしてきました。
高齢者、障害者、子育て世帯、外国人に対しては大家が入居時に拒否感を感じていることがあります。家賃支払いの不安や居室内での死亡事故などへの不安から、一定数の大家が入居制限を行なっています。

しかし2017年「改正住宅セーフティネット法」が執行されました。こちらは、「住宅確保要配慮者」(高齢者・低所得者・障害者・子育て世帯などの住宅確保の困難を抱えているもの)の入居を拒まない賃貸住宅の登録制度を定めています。

行政書士の取り組みとしても、入居希望者、大家、管理会社、自治体等のパイプ役として活躍することが期待されています。

④経済的にゆとりがなく、葬儀・埋葬がどうなるか不安
全国では、引き取り手のない「無縁遺骨」が急増しています。
身元不明の遺骨ではなく、身元が判明しているのにも関わらず、引き取り手のない遺骨が圧倒的に多いようです。
引き取り手が断る理由としては「関わりたくない」「長い期間会っていない」といったものがほとんどです。

引き取り手のない遺骨が増加する中、ひとり暮らしで身寄りがなく生活のゆとりのない高齢者を対象に、官民連携で支援する事業を開始した自治体もあります。
我々行政書士としては、相談者が利用できるサポート事業の有無を調べて窓口につなぐようなサポートを行なっていければと思います。

これまで4つの悩みについてお伝えしたが、お悩みを抱えている方はひとりで抱えてしまうのではなく、まず誰かに相談してみてください。話してみるだけで気が楽になるものですし、悩みを相談する相手にお困りの方は、当事務所へのご相談もお待ちしております。

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