セクシュアル・マイノリティーについて

2015年に東京都渋谷区で制定された「同性パートナーシップ証明制度」以降、「LGBT」という言葉が広く知られるようになりました。それに伴い「セクシュアル・マイノリティ」への理解が深まりつつあります。
セクシュアル・マイノリティの包括的な理解には、多様な性のあり方を知ることが第一歩です。

セククシャル・マリノリティとは?

「セクシュアル・マイノリティ」(性的少数者・性的マイノリティ)は、社会では「典型的」あるいは「多数派」と想定される性のあり方に当てはまらない人たちを表す言葉です。「社会の想定する「普通」からはじき出されてしまう性のあり方を生きる人々」と定義することもできます。

セクシュアル・マイノリティに関する知識を理解するためには、「セクシュアリティ」という概念をまず押さえましょう。
セクシュアルティを理解するには、5つの視点から性を捉えることが必要です。多くの人が普段意識するのは「法律上の性別」「生物学的な性」ではないでしょうか?しかし、この2つだけで人の性のあり方を表現することはできません。

性のあり方は多様で、クラデーションを成しています。「LGBT」のイメージカラーが虹色なのはその多様性を表現しているからです。次にあげる5つの視点を知ると、性は「男女」の二分法だけでは定められないことが理解できると思います。

①法律上の性別
日本は「男女」の二分法です。インド・デンマーク・オーストラリア・ニュージーランド・デンマークなどは「第3の性」が認められています。

②生物学的な性
生物学的な性とは、染色体・内性器・外性器・性ホルモン・生殖腺などから特徴づけられます。男女両方の特徴を持っているケースやどちらの特徴も曖昧なケースもあります。これらは「性分化疾患」「DSD」といわれます。
生まれた時に、男女の別が決定できない場合は、出生届の性別欄を空白で提出することが出来ます。その際戸籍の続柄欄も空白になりますが、性別確定後の「追完の手続き」により続柄が記載されます。

③性自認(心の性)
自分の性別をなんであると考えるかは、はっきり「男女」に二分できません。「男女どちらでもない性と自認すること」や「どちらでもある」と自認することもあります。

④性的表現
自分の性別をどのように表現するかは、性自認と別の概念です。例として、性自認が男性で異性装(女装)により女性の静的表現をするケースが挙げられます。

⑤性的指向(好きになる性)自分がどのような性別を恋愛や聖愛の対象とするかを表す概念です。「性的嗜好」とは異なる概念です。「性的嗜好」は「何を」性的に好むかを表すものです。
性的指向は多くが生得的ですが、後に自覚することもあります。異性愛・同性愛(ゲイ・レズビアン)・両性愛(バイセクシャル)・無性愛(アセクシュアル=性愛が誰にも向かない)・クエスチョニング(性愛の対象がわからない)などがあります。

同性パートナーシップ証明制度

各自治体で始まっている「同性パートナーシップ制度」ですが「同性婚制度」とは異なります。
現在の日本の法律は、同性間のパートナーシップについては規定をしていません。「同性パートナーシップ証明制度」は、あくまでも自治体の「条例」や「要綱」を根拠にした制度です。そのため、民法が定めた婚姻と同様の法的効果を得ることが出来ません。
配偶者としての相続権もないため、相続権を発生させるためには同性パートナーシップ証明制度の利用有無を問わず、遺言書を作成する必要があります。
遺言書の書き方については、こちらも併せてご覧ください。

神奈川県相模原市でも、昨年2020年4月に「相模原市パートナーシップ宣誓制度」を開始しました。当事者の自分らしい生き方を後押しするとともに、性の多様性についての社会的な理解促進を目指しています。
神奈川県内では、横須賀市、小田原市、横浜市、鎌倉市に次いで5例目となります。現在では、それに加えて川崎市、逗子市、葉山町でもパートナーシップ制度が導入されています。

この制度は、一方または双方が性的少数者で、定められた要件を致している2人に、互いが人生のパートナーであるという宣誓書を提出してもらい、それに対して市が受領証と受領証カードを交付することで、公的に認めるというものです。
宣誓者の用件とは
①20歳以上であること
②市内に住所がある又は、本市への転入を予定していること
③配偶者(事実婚を含む)がいないこと
④宣誓をする相手以外の方とのパートナーシップがないこと
⑤民法に規定する婚姻ができない続柄でないこと(近親者など)

「パートナーシップ宣誓制度」に婚姻のような方的効力はないですが、単身者向け住宅以外の入居の場合、これまで「夫婦(婚約者・内縁者関係を含む)、または、親子を主体とした家族であること」が条件とされていた市営住宅の入居資格が認められる(パートナーとして同居することが前提となります)ほか、民間企業によっては保険の受け取りや携帯電話の家族向けサービスなどが可能になる場合もあります。

同性婚を認める法整備が進まない中で、各自治体の「同性パートナーシップ証明制度」は現在最も効果的な制度です。セクシュアル・マイノリティのあり方が可視化され、社会の意識変革へのきっかけになったことの意義は大きいかと思います。

「同性パートナーシップ証明制度」は、各自治体ごとに、定義、用件、申請時の提出物、費用また効果についても異なります。
なにか制度について分からないことや、ご相談がございましたら当事務所でも随時受け付けております。お気軽にご連絡ください。

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セクシュアル・マイノリティーについて” に対して2件のコメントがあります。

  1. itariajin より:

    サイトを読ませていただき、有難うございました。

    余計なことかもしれませんが、誤字と思われる部分を、お知らせしました。
    ・宣誓者の用件とは ②…、本誌への転入を → 本市への転入を
    ・④先生をする相手以外の方との → ④宣誓をする

    お気を悪くしたなら、すみません。

    1. r.asako より:

      itariajinさま
      初めまして、こんにちは。
      サイトをご覧いただきありがとうございます。
      そして、誤字のご指摘もいただきありがとうございました。ご指摘頂いた箇所について修正をいたしました。
      今後、できる限り誤字脱字には気を付けて参りますが、また何かお気づきの点がございましたら、アドバイスいただけたら嬉しいです。
      今後ともよろしくお願いいたします。

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