同性カップルと特別縁故者

例えば、同性パートナーと共同生活を営んでいたことにより、パートナーは財産を相続することができるのでしょうか?
たとえ共同生活を営んでいたとしても、現在では、同性婚が認められていないので、同性パートナー間に親族関係がなければ法律上相続は発生しません。ただし、遺言や養子縁組によって、遺産を引き継がせることができます。

なお、パートナーと養子縁組を行ったり、パートナーのために遺言書を作成していなかった場合でも、自己に相続人がいない等の場合には、パートナーが特別縁故者として、自己の遺産について家庭裁判所に財産分与請求をすることができる可能性があります。

特別縁故者の財産分与請求とは、被相続人の相続の存否が不明の場合は、家庭裁判所により選任された相続財産管理人が被相続人の債務を支払うなどして精算を行ったあと、家庭裁判所の相続人を捜索するための公告で定められた期間内に相続人である権利を主張するもの等がいなかった時に、家庭裁判所に、精算後に残った相続財産の全部または一部を請求することを言います。

特別縁故者とは

特別縁故者制度とは、亡くなった人に相続人がいない場合に、生前に特別な縁故があった人に財産を分与するという制度です。
同性パートナーでも条件を満たすようであれば、特別縁故者として財産を分与される可能性があります。

①特別縁故者の条件とは
特別縁故者として認められるためには、次のような条件が必要になります。
・被相続人(亡くなった方)と生計を同じにしていた方
・被相続人の療養看護に努めた方
・その他被相続人と特別な縁故があった方

②特別縁故者制度の注意点
・申し立てが必要です。
特別縁故制度は、亡くなった同性パートナーに相続人が存在しなかった場合に、自動的に財産が取得できる制度ではないので、残されたパートナーは、まず相続財産管理人の選任申し立てをしたあと、特別縁故者の申し立てをする必要があります。
相続財産管理人の手続きの中で、相続人不存在が確定したあとに、特別縁故者の財産分与の申し立てを行います。
・財産を取得するまでには時間がかかります。
財産分与の申し立てを行っても、すぐに財産がもらえるわけではなく、実際に取得するまでは、亡くなってから1年以上かかるとも言われています。
・相続人が存在する
同性パートナーに相続人がいないと思っていても、実際に探してみると相続人がいるというケースが多いです。
例えば、ご両親が亡くなっていても祖父母が健在であったり、兄弟姉妹がなくなっていても姪・甥は健在である場合などです。
・特別縁故者として認めてもらえない
特別縁故者に該当するかどうかは、家庭裁判所が判断します。
ご自身が特別縁故者であることを、証拠等により証明する必要があります。万が一証拠が不十分だった場合などには特別縁故者と認めてもらない可能性も出てきます。

同性カップルの生前対策

このように、万が一のときの最終手段として特別縁故制度を利用するのは良いですが、手続きに時間がかかってしまったり、特別縁故者として認めてもらえないリスク等を考えてみても、パートナーに遺産を確実に残すためには、生前に十分な対策を行なっておくことが必要だと思います。
生前対策とは
①遺言書を書く
いちばん確実なのは、正しい遺言書を書いておくことです。
遺言により、遺言者の遺産を法定相続人以外の者に遺贈することができます。
ただし、遺言もしくは相続分の指定・遺産分割の指定をした場合であっても、他に法定相続人がいる場合には、そのものに遺留分が発生する必要がありますので、注意が必要です。
(遺留分とは、例えば財産をパートナーに全部相続させるという遺言書を作成した場合であっても、法定相続人の法定相続分の2分の1または3分の1については遺留分が発生します。もし法定相続人が遺留分請求権を行使した場合には、その財産全部を引き継がせることができなくなります。)
なお、遺言者は、自らの死亡によって遺言の効力が発生するまでは、遺言の方式に従って遺言の内容を変更・撤回することが可能です。
②生前に贈与しておく
ただし、亡くなる直前の贈与は遺留分や相続税に関係してきます。
③信託財産の承継先に指定する。
④養子縁組
養子縁組により、養子は養親の嫡出子たる地位を取得しますので、相続が発生します。
しかし、パートナーに他に法廷相続人がいる場合には、養親や養子の相続分が十分とは限らないケースや、養親が相続人になれない場合もありますので、遺言についても検討する必要があります。

記事を読んでいて疑問に思われて箇所や、わかりにくい説明がありましたら、お気軽にお問い合わせください。


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