同性パートナーと生命保険

モラルリスクの観点から、生命保険の死亡保険の受取人については、親族に限るなど、一定の制限が設けられています。
しかし、現在では、一部の生命保険会社においては、親族関係にない者を受取人とする生命保険を販売しており、最近では同性パートナーを受取人に指定することができる保険会社も出て来ました。

これらの保険契約を締結するためには、契約者と受取人が同性パートナーであるといえば足りるのではなく、同居期間の長さ等一定の条件について具体的な審査を必要としています。
東京都渋谷区のパートナーシップ証明書がある場合には、比較的容易に審査を進めることができる場合がありますし、パートナーシップ証明書の提出だけで良いという保険会社もあります。

なお、パートナーの一方が被保険者及び保険料の負担、他方が受取人となっている場合には、生命保険の死亡保険金は遺贈に該当するものとして、相続税の課税対象となり、パートナーの一方が被保険者、他方が保険料の負担者及び受取人となっている場合には、生命保険の死亡保険金は所得税の対象となりますので、注意が必要です。
相続税の計算については、法定相続人とは異なる取り扱いとなる場合もあるようです。個別の税務については税理士等の専門家に相談してみると良いです。

また、保険会社の保険金受取人の要件を満たせない場合であっても、遺言によって保険金受取人をパートナーに変更することにより、原則として、パートナーが保険金を受け取ることができるようになります。
もっとも、当事者が遺言書を示さない限り、保険会社において遺言書記載の受取人の指定を把握することができないので、法定相続人が先に保険金を受領してしまった場合には、その変換について争いが生じてしまう可能性があります。

生命保険の種類

ここでは、生命保険の受取人を同性パートナーに指定できる保険会社を何社かご紹介いたします。
もちろん、この他にもたくさんの会社で、取り扱いがあると思いますのでご自身に身近な保険会社について一度調べてみると良いかと思います。
①ライフネット生命保険
ライフネット生命では、2015年11月から、同居期間など一定の条件のもと同性パートナーを死亡保険の受取人に指定することが可能になりました。
死亡保険金の請求には、死亡診断書等の書類が必要となりますが、同性パートナーが受取人の場合、保険金請求に必要な書類の入手が困難になる可能性があり、そんなときのサポートも行っているようです。
契約手続きの際には、本人確認書類等のほか、同居の事実を確認するための住民票、会社指定のパートナー関係を確認する書類が必要です。

②アクサ生命
申込者、受取人の①戸籍上の配偶者がいないこと、②同居及び生計をひとつにしていることの確認があります。
申し込み時には、生命保険契約申込書と合わせて、申込者、受取人の住民票等の提出が必要な場合があります。
なお、自治体が発行するパートナーシップ証明書の提出は不要のようなので、同性パートナーシップ制度がない自治体に住んでいる方も契約することが可能になります。

③第一生命
パートナーシップ証明書の写しの提出により、原則、同性パートナーを保険金の受取人に指定することについて、スムーズに手続きができるようになっています。
その他、LGBTへの理解促進のための研修を社員向けに実施をしてたり、LGBTに関する相談窓口を設置し、個別相談にも応じる体制を整備しているようです。

注意点

以前に比べて、同性パートナーを受取人とする生命保険に入ることへのハードルは低くなりました。
とは言っても、注意点もあります。
例えば、一般的に使うことができる、生命保険料控除です。
生命保険料控除は、生命保険料控除は、生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料を支払った場合に、一定金額の所得控除を受けることができる制度ですが、この生命保険料控除の対象となる生命保険契約には、配偶者またはその他の親族という条件があります。
同性パートナーの場合は、これに該当しませんので、生命保険料控除は使えないことになります。

また相続税についても、一般的には生命保険を相続税対策に使うことも有効です。
それは生命保険の保険金は、「みなし相続財産」になり、法定相続人の人数×500万円が非課税になるからです。
しかし、同性パートナーの場合は、法定相続人ではありませんので、通常の相続税がかかることになります。

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