同性パートナーの医療同意

そもそも、医療同意は、本人しかできない一身専属的なものです。なので、本来は同性パートナーに限らず、たとえ家族であったとしても、他人が本人に変わって医療同意をすることはできないはずですが、実際の医療現場では、本人が意識不明で本人からの同意を得ることができないケースがあります。そのような時には、誰から医療同意を得るべきなのかが問題になります。

そのため、医療現場では家族の同意を本人の同意と推定し、家族の同意により違法性が阻却されると考えて、家族に同意書へのサインを求めていうというのが実情です。
そうすると、患者本人にとっては、同性パートナーは家族のようなものですから、同性パートナーの同意も家族の同意の場合と同様に本人の同意と推定することが可能ですし、違法性が阻却されると考えることも可能です。そのため、その病院が家族の同意で足りるとしているのであれば、同性パートナーの同意でも足りると考えることができます。

しかし、同性パートナーであるから同意すると申し出ている者が本当に患者の同性パートナーであるのかは、第三者である病院側にはわからないことです。
このような時に、同性パートナーシップ証明書があれば、2人の関係性を証明することもできますので、病院側としても、安心して患者の家族として扱うことができます。
また、パートナーシップ証明書がなくても、同性パートナーの同意が本人の同意と推定されれば良いのですから、あらかじめ、本人が同性パートナーに医療同意を任せておけば良いと考えられます。
具体的には、あらかじめ医療同意契約書などを作成しておくことが考えられます。

病状の説明

病状の説明をすることは、個人情報やプライパシーを明らかにすることを意味します。そのため、本来であれば、本人の同意がない場合には、たとえ家族であったとしても、病状の説明をすることができないと考えられますが、実際の医療現場では、医療同意と同様に、家族に対しても病状の説明が行われています。
これも、家族に対しての病状説明であれば本人も同意するだろうということを推定して行われているものと考えられます。

そのため、先ほどの医療同意と同様に、パートナーシップ証明書があれば家族として病状説明位を受けることができると考えられますし、本人の意思が推定できるのであれば、説明を受けることができます。

現在、同性パートナーへの情報提供や手術同意を認めている事例としては、神奈川県横須賀市の市民病院やびうわまち病院、救急医療センター、消防局救急隊では、事故や急病等で救急搬送された患者の同棲パートナーが同行または来院し、病状説明等の情報提供依頼があった場合には、患者の意識があって患者の同意を得られた場合だけでなく、患者に意識がなく患者の同意が得られない場合であっても、関係者であることが確認できれば、情報提供をする扱いとしています。
また、市立病院における手術の際の同意についても、患者が成人していて、患者本人に判断能力がない場合には、配偶者、両親、その他の血族及び姻族、配偶者に相当する内縁のパートナー、患者自身が事前に代諾者として認定した者の同意で良いとしていて、この内縁パートナーに「同棲パートナーを含む」としています。
ICUへの入室も、手術同意と同様に認めています。
横須賀市は、従来から医療現場では配偶者等についても戸籍謄本等による確認が行われていなかった実情を踏まえ、同性パートナーか否かについては、パートナーシップ証明書がなどの公的書類がなくても、現場の医師や看護師が関係者への確認等により判断すれば良いとしています。
家族のあり方が、多様化している現実を踏まえての対応として、高く評価することができます。

今後は、同性パートナーについても、家族として等しく扱われる地域の病院、家族として医療説明の場に同席、また医療同意ができるような医療機関が増えていくようになって欲しいです。

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