上野千鶴子著「在宅ひとり死にのススメ」

2021年1月に文春新書から出た上野千鶴子著「在宅ひとり死にのススメ」を購入しました。
タイトルからして上野さんぽくて良いです。
ベストセラーになった「おひとりさまの老後」から、はや13年、シリーズとしては「男おひとりさま道」「おひとりさまの最期」から4作目です。「最期」でおひとりさまシリーズは完結なのかなぁなんて思っていたのですが、続きがありました。(笑)
「在宅ひとり死にのススメ」は「おひとりさまの最期」を書いた後の変化や、次のステップを考えるための手掛かりについて書かれています。

わたしは「おひとりさまの老後」しか読んだことがないのですが、「おひとりさまの何が悪い!!」って言わんばかりの、痛烈な文章で、読んでいて勇気づけられます。

上野さんの目標は、自らが「要介護認定高齢者」になって、当事者目線から情報発信をすることなのだそうですが、我々にもいつかはそんな時期がやってくることを考えると、前もって情報を得られることはありがたいですし、「要介護認定高齢者」になっても情報発信をされている姿を見られることは、とても心強いので、「要介護認定高齢者」になった時の本も楽しみに待っていたいと思います。

さて、世界保健機関(WHO)が発表している2019年の世界の男女合わせた平均寿命は72.0歳で、2000年から5.5歳平均寿命が伸びています。
日本でも、平均寿命は年々伸びていていて、社会学者の春日キスヨ著「百まで生きる覚悟 超長寿時代の「身じまい」の作法」によると、90歳を超えて生きる確率は、男性が4人に1人以上、女性が2人に1人以上だそうです。高い確率で、90歳を超えても生き続ける世の中になっています。

少し前までは、「おひとりさま」が少数派というイメージでしたが、現在では「おひとりさま」人口が増え続けています。
2019年厚生労働省の国民生活基礎調査では、お年寄りが1人だけの単身世帯は28.8%。子供や孫がおらず、夫婦だけの高齢者世帯「夫婦のみ世帯」は32.3%、これらを合わせた「お年寄りだけの世帯」は61.1%となり、過半数以上を占めます。
「夫婦のみ世帯」は死別離別による独居世帯予備軍だと考えれば、近い将来独居世帯は半数以上になりそうです。

1975年から調査の変化を見てみると、
増加している世帯・・・単独世帯、夫婦のみ世帯、親と未婚の子のみ世帯
減少している世帯・・・三世代世帯

となり、減少しているイメージのある「高齢者と「未婚」の子のみ世帯」も増加傾向にあります。
減少してる三世代世帯の比率は9.4%。高齢者がいる世帯のうち、祖父母とその子、さらに孫がいる、昔のホームドラマではよくみる光景だった構成を持つ世帯は1割を切ってしまっているような現状です。

上野さんの本では、高齢者のひとり暮らしが増えている背後にある大きな原因は、高齢者のひとり暮らしに対する偏見がなくなったことを挙げています。高齢者の一人暮らしも悪くない、やってみると存外良いもののようです。
高齢者の単身世帯が増えることは、簡単に食い止められることはできない現状を踏まえると、それを嘆いたりするよりは、どう前向きに対処すべきかを考えていく、そんな本の内容になっています。

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