119番に電話をする前に

ご自身が高齢者になった時、体調が急変してしまった時にまずどこに連絡しますか?
例えば若い方の急病だったり交通事故に遭ってしまったような場合は119番に電話をした方が良いですが、例えば高齢者の容態が急変したり、死にかけの現場を発見した場合は119番をしないことです。

救急車による救急搬送の件数は年々増え続けており、2019年には全国で約600万人が救急搬送されました。その中でも高齢者の割合が6割を占めています。こうした救急搬送の増加、高齢者の搬送者の増加は人口の高齢化を反映した結果です。
実際、救急車が出動する事故種別の割合を急病に限ってみると、1999年は全体の56.3%を構成していましたが、2019年は65.3%と増加しています。
急病が増加したのは、自宅や高齢者施設などで容態が急変した時に119番をしてしまうことが増えたためで、このままの勢いで高齢者の救急搬送が増えていくと救急現場が機能麻痺してしまう恐れがあります。
救命救急現場を機能麻痺させないためにも、利用者側の自制が必要になってきます。

119番をする前に、まずするべきことは、訪問看護ステーションに連絡をすることです。
訪問看護ステーションは24時間対応を義務付けられていますから、状況を聞いた上でどうすれば良いのか判断をしてくれます。
訪問看護ステーションに電話がつながらないことはまずありませんが、それがダメなら主治医に、それからケアマネージャーに、そして訪問介護事業所の緊急対応窓口へ順番に電話をかければOKです。
これらの連絡先をご自身の電話の短縮ダイヤルに登録しておくか、連絡先を書いた紙を枕元に置いておくと良いです。

心肺蘇生を望まない意思表示への対応

他には、心肺蘇生を望まない人への対応があります。
心肺停止の搬送件数も年々増え、そのうち60歳以上が85%、さらに80歳以上が半数を占めています。高齢者が多いので、救急現場では「本人は心配蘇生を望んでいない」と家族から心配蘇生の中止を要望されるケースが増えてきています。
一刻を争う状況の中で、救急隊が人命救助のために蘇生処置を行いながら救急搬送をするか、本人の意思だという家族の意見を優先するか、判断に苦慮する事態も問題となっています。
心肺蘇生を望まない場合、その意思表示をご家族がご自身の代わり伝えるだけでは、救急隊員は判断しかねる部分がありますし、ご家族がいらっしゃらない場合、ご自身の意思表示をするにはその意思表示を書面で残しておくことが大切です。

救急車の不適正な利用

高齢救急搬送でもう一つの問題となるのが、救急車の「不適正な利用」です。
例えば、高齢者の救急車の出動要請の利用として「病院に入院する予定になっているが、自分で行くとタクシー代がかかるので救急車を呼んだ」「眠れなくて、誰かに話を聞いて欲しくて救急車を呼んだ」などがあります。
不適正な救急車の利用があると、必要な救急車の台数が不足してしまい、救急搬送に要する時間が増加してしまうことになります。
最近では、コロナウイルスの対応に加えて、こうした救急車の不適正な利用の増加に伴い、病床やスタッフが足りずに救急患者が受け入れ困難になる問題が増えてきています。

自分自身の容態に合わせて、本当に救急車を呼ぶ必要があるのか?先に連絡すべきところはないか適切な判断ができるように、日頃から気をつけておきましょう。

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