老後の住まいは施設それとも自宅?看取りは?

「人生の終盤」はどこで過ごしたいですか?
施設が合う合わないという個人差もあると思います。
人によっては、施設もデイサービスもどちらも行きたくないという方もいるでしょう。
上野千鶴子さんは、高齢者施設の機能はそこで生活が24時間完結することから全制的施設の刑務所のようなものと言います。そして、刑務所であれば刑期が終われば出ていくこともできるが、高齢者施設の場合は亡くならないと出ていくことはできません。
もちろん外出はさせてもらえますが、職員の管理のもと、家族のもとへ外泊するにも許可が要ります。

では、サービス付き高齢者住宅ならいいか?というと、施設とは違って賃貸住宅に食事と安否確認がつくというようなものなので、外出は自由にできるようになりますが、自分の部屋で転倒してしまったとしても自己責任になります。
なので、まだ「自立」できている状態であれば、わざわざ自宅を離れて賃料を払ってまで賃貸住宅に住む必要がないという考え方もあります。
ただ、集団生活に慣れるためだったり、周りに知っている人が住んでいてくれていた方が安心という方にはおすすめです。

住み慣れた地域で助けあう「地域包括ケアシステム」

では、自宅で過ごしたいと思った場合どうでしょう?
元気なうちはいいですが、体が不自由になり生活が難しくなってきても自宅に住み続けることはできるのか?心配になります。
しかし、現代の世界の高齢者介護の流れは、施設から住宅へと完全にシフトしてきています。
日本でも、在宅で医療や介護が受けられる「地域包括ケアシステム」の仕組みが整備されてきています。
「地域包括ケアシステム」とは、要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい生活を最後まで続けることができるように地域で助け合う体制のことです。
それぞれの地域の実情にあった医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体的に提供される体制を目指しています。
介護保険制度の枠内でだけ完結するものではなく、介護保険制度と医療保険制度の両分野から、高齢者を地域で支えていくものとなります。

「地域包括ケアシステム」は、戦後のベビーブーム時代に生まれた「団塊世代」と呼ばれる人たちが、75歳以上の後期高齢者となる2025年をめどに介護保険の保険者である市町村や都道府県などが中心となり、地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じて構築していくことが目標です。「地域包括システム」は、おおむね30分以内に必要なサービスが提供される日常生活圏域(具体的には中学校区)を単位として想定されています。

こういったシステムが充実している場所をあらかじめ選んでおけば、将来も安心して過ごすことができそうです。

看取りのコスト

老後を在宅でも過ごせることは分かったけど、看取りの時はどうしよう?おひとりさまであれば、ひとりで過ごすのは少し不安ですし、そうなった時にいくらぐらいかかるのかコストの面も心配です。
小笠原文雄さんの本「なんとめでたいご臨終」(2017年)の中には、在宅死のコストが書いてあります。
上村さん(仮名)の死の直前3ヶ月間にかかった経費です。それによれば医療保険の本人負担1割負担、介護保険の本人負担1割負担に加えて、自己負担サービスが月額3〜4万円。これは死の3ヶ月前に、上村さんが夜が不安だとおっしゃるので自費で夜間のヘルパーさんを入れた経費だそうです。
その総額は月に40万から50万、本人負担は7万〜8万円程度です。
これぐらいだったら長く続くものでもないですし、どうにか払えそうと思った方も少なくないかと思います。

看取りのコストは病院>施設>在宅の順番になります。
病院の場合、死の1ヶ月前にかかる医療保険の平均診療報酬請求額100万円を超えるというデータもあるようです、
高齢者の場合は、高額医療費の減免制度があるので、自己負担は軽く済むかもしれないですが、これに差額ベット代がつきます。
そして、臨終期は個室でというのが一般的になりますので、そうすると個室差額ベッド料がかかってきます。これがシティホテル並みの料金を取られることになるので、やや負担が重くなると言えるでしょう。

施設でも看取りをやってもらえるようになりました。
利用者は定額を払うだけで特別の料金は入りませんが、ホテルコスト(居住費)として利用料に含まれています。
個室特別養護施設なら月額利用料が14万〜15万円(うちホテルコスト7万〜8万円)、サービスコストは実質ここからホテルコストを差し引いた残りの7万〜8万程度なので、上村さんの在宅見取りにかかった自己負担分のコストと変わらない金額です。
個室ではなく、多床室だとこのホテルコストはかからなくなるので、利用料はほぼ半額になりますが、それであれば同じ負担額で自分の家にいられる方が安心という方も少なくないかもしれませんね。

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