もし認知症になってしまったら、、、

認知症は重度になってしまうと、家でお世話を続けることは難しい、ましてやおひとりさまの一人暮らしはもっとむずかしい、そんな気がしています。実際にどうなのか少し掘り下げてお伝えしていきます。
認知症については、今のところ原因も予防法も治療法もわからない病気です。認知症薬と言われているものは、進行を遅らせるだけで、治療薬ではありません。そして、年々認知症の方の人数も増え続けています。

認知症は誰でもなりうる病気です

後期高齢者になればなるほど認知症発症率は上がりますし、施設入居者の8割以上に認知症があるという証言もあります。
内閣府の資料によれば、日本の総人口は2017年で1億2,672万人となっていますがそのうち、「65歳以上の人口」は、3,515万人(男性1,526万人、女性1,989万人)で、総人口に占める割合は27.7%で、男性対女性の比率は約3対4となってます。
65歳以上の人口は「団塊世代」が65歳以上となった2015年に3,387万人となり、「団塊世代」が75歳以上となる2025年には3,677万人に達すると見込まれています。
その後も、65歳以上人口は増加傾向が続き、2042年に3,935万人でピークを迎え、その後は減少に転じると推計されています。

このように、高齢者の絶対数が増え続けている中、2018年時点で、65歳以上の七人にひとりは認知症を発症しており、2025年には675〜730万人に増え、65歳以上の五人にひとりが認知症になると予想されています。
わたしが現在44歳なので、65歳になるのが2042年になります、まさに65歳以上人口のピークを迎える頃、認知症発症数は何人くらいになっているのでしょうか。

認知症の人を理解するために

以前は認知症を発症しても受け入れられていたこともあり、さして困難もなく、穏やかに暮らしていました。
しかし、現在の日本は認知症を受け入れない文化になってきていると言われており、認知症を受け入れない文化のもとではBPSD(行動・心理症状)が発生しやすくなると言われています。
現在では認知症の人の生涯のBPSD発生率は8割から9割に及ぶとされていて、認知症を生きることは、認知症の人にとっても、その家族にとってもツラく厳しい時代と言えます。

BPSDを持った認知症の人たちの言葉を整理すると認知症を受け入れない文化のもとでは、認知症になりゆく経過には心理社会的な特徴があることがわかりました。この経過を知ることで、認知症の人の暮らしぶりや心の動きを知ることができますし、多くのBPSDの発言機序が理解しやすくなります。
①認知症の人の多くは、中核症状の進行に不安を感じているが、軽度の段階でも言葉がタイミングよく話せなくなり、自発的に話すことが苦手になる。
②コミュニケーションがとりにくくなると「わからなくなった」と思われて、周囲からの温かい声がけが激減する。
③周囲の人との繋がりが少なくなっていき、地域でも家族の中でも孤立しやすく、やがて、強い不安の中で、孤独で寂しく、寄り添いのない状態になる。
④「できなくなった」と思われて、公私とも色々な役割を奪われてしまい居場所がなくなりやすい。
⑤中核症状による不自由や失敗に対して、周囲から「しっかりして」と励ましの言葉や願望の「指摘」が続くが、認知症の人はそれを早期から「叱られている」と受け止める。
⑥日常的に叱られ続けることで、尊厳を失い、限界に来たときにBPSDが発言する。急性ストレス反応であるが、BPSDは認知症の人の叫びである。
⑦BPSDが生じると、「指摘(叱責)」が強まり、BPSDをさらに悪化させ、結果的に家族も苦しめるという悪循環に陥る。家族も、介護に疲れ果てうつ病になりやすいが、家族がうつ状態になると入所や入院につながりやすいという報告も多い。

認知症のひとり暮らし

このようになってくると、家族の意思決定で施設への入居や入院をせざるをえなくなってしまう状況になります。
では、ひとり暮らしの場合はどうでしょう?
精神科医としても有名な認知症ケアの専門家、高橋幸男先生の話によれば、「ひとり暮らしのBPSD(行動・心理症状)は軽い印象があります。興奮や暴力は明らかに少ないですし、介護拒否や、「帰る」妄想、人物誤認妄想、物盗られ妄想、嫉妬妄想なども多くはありません。」と指摘し、「家族がいる場合と異なり、日々指摘を受け(叱られ)続けるストレスは極めて少ない」ということです。
高橋幸雄先生に限らず、認知症対応に関わる複数の医者からも、独居の認知症患者さんの方が周辺症状が穏やかで機嫌よく暮らしているとのことでした。(個人差はもちろんあります。)

かと言って、認知症の人がひとり暮らしできるか?となると、いろいろ大変なこともありますが、生活習慣が維持できなくなったときには、訪問介護を入れてもらえば入浴をすることができ、馴染みのあるヘルパーさんであれば安心して任せることができます。
食事についても、食事の支度ができなくなれば配食サービスをお願いすれば満足な食事ができます。
そのまま寝たきりになってしまったとしてもケアの内容は変わりません、そうやって独居の認知症高齢者を在宅のまま見送ったという事例も耳にするようになりました。

認知症を発症してからの住まいについては、人それぞれ好みの分かれるところでもありますが、個人的にはなるべく住みなれたところで、気ままに暮らしていきたいなぁというのが本心です。

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