介護保険とは?その仕組みは?

上野千鶴子さんは、「在宅ひとり死にのススメ」で、お家でひとりで亡くなることが出来ると書いています。
それは、介護保険があるから。
家族がいても、いなくても、独居でもひとりで死ぬことはできると言っています。
介護保険ができる前には、在宅での看取りなんて出来なかった。ましてや、独居の在宅看取りなんて考えることすらできなかった。

2000年4月のにスタートした介護保険は、2020年で20年が経ちました。
上野さんは、この介護保険制度ができた時「家族革命」が起きた!と思ったそうです、その理由は「介護は家族(だけ)の責任ではない」と「介護の社会化」の一歩を踏み出しからです。
老後を頼る家族のいないおひとりさまにとって、介護を他人に頼って良いということは、老後の心配が一つ解消するようなものです。

しかしこの「介護保険」について「仕組みがいまいちよくわからない」「介護保険は、誰が費用を負担して、どのように利用されているか分からない」というように、分かりにくい部分が多くあります。
まずは、その「介護保険」の内容と、どんな仕組みになっているのか見ていきます。

介護保険とは?

介護保険とは、介護が必要な方(要支援者・要介護者)に介護費用の一部を給付する制度です。
保険なので、みんなで保険料を負担して、必要な方に給付をする仕組みになっています。

給付を受けるには、介護がどの程度必要か、給付を受けることが出来るかを判定してもらい、各市町村や専門機関に一定の手続きをします。
役所の窓口で日程調整をし、役所から任命された認定調査員が自宅に来てご本人に日常生活の状況を伺い、身体機能のチェックを行います。その後認定の結果が出るまでに1ヶ月程度かかります。
要支援が出た場合には地域包括支援センターに相談、要介護が出た場合にはケアマネージャーに相談をします。
介護保険サービスの利用開始には、市町村に要介護認定を申請して要支援1〜2、要介護1〜5のいずれかの認定を受けることが必要です。

介護保険は、全国の市区町村が保険者となり、その地域に住んでいる40歳以上の方が被保険者(加入者)として納めている介護保険料と税金で支払われています。税金部分の内訳は、国が25%、都道府県が12.5%、市町村が12.5%となっています。
また、サービスを受ける場合は、1割の自己負担が必要ですが、年収によっては自己負担率が2割または3割になる場合があります。なので残りの7割〜9割はこの財源によってまかなわれています。

介護保険被保険者証はどこでもらえるのでしょうか?
制度の運営主体(保険者)は市区町村なので、お住まいの自治体の介護保険課、高齢者支援課など(自治体により窓口の名前が異なります)が窓口となります。
65歳以上の方には、被保険者証が郵送で交付されます。
40歳から64歳までの方には、通常発行はされませんが、特定疾病に該当する場合には、介護認定されたのちに発行されます。

サービスを受けられる被保険者とは?
介護保険の加入者には、第1号被保険者(65歳以上)と第2号被保険者(40歳から64歳まで)の分類があります。
保険料の支払い義務はどちらもありますが、サービスの対象者(受給者)は、原則として第1号被保険者だけです。
第2号被保険者は老化に起因する疾病により介護認定を受けた場合に限りサービスの対象になります。
介護保険で対象となる疾病(特定疾病)
・末期がん
・関節リウマチ
・筋萎縮性側策硬化症
・後縦靭帯骨化症
・骨折を伴なう骨粗鬆症
・初老期における認知症
・進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病
・脊髄小脳変性症
・脊柱管狭窄症
・早老症
・多系統萎縮症
・糖尿病性神経障害。糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
・脳血管疾患
・閉塞性動脈硬化症
・慢性閉塞性肺疾患
・変形関節症(両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う)

介護保険制度の仕組み

介護保険制度は、介護が必要となった高齢者とその家族を社会全体で支えていく仕組みです。
その仕組みの主な特徴は次の通りです。
①介護保険の利用者の自立支援を目指す
②利用者本位のサービス利用(自ら選択してサービスを受けられる)
③給付と負担の関係が明確である「社会保険方式」を採用している。

そして、その制度に関わる人たちを以下のように言います。
「保険者」・・・制度を直接運営している市町村及び特別区
「被保険者」・・・介護保険料を払っている人(40歳以上全員に負担義務)
「サービス提供者」・・・介護サービスを提供する人

契約は、利用者とサービス提供者との間に結ばれます。
このことで、利用者とヘルパーの関係を個人化しなくなりますので、ヘルパーに代替性があることで利用者のリスクが減り、ヘルパーの苦情は本人ではなく事業者に伝えることで調整が図れ、ヘルパーのケアの質の管理は利用者の責任ではなく事業者の責任になること。そして何より、利用者がヘルパーを使用人扱いしないように、利用者とヘルパーの間に雇用関係を排除したことは良いことです。

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介護保険とは?その仕組みは?” に対して1件のコメントがあります。

  1. 清水真一 より:

    解説有難うございました。私の母は、昨年膀胱がんになり、在宅医療を受けていたのですが、腎不全となり、腎臓に管を通して排尿する腎ろう という処置を受けてからは、医療から介護に移りました。在宅医療を受けている時に、介護を受ける場合に備えて、弟が地域支援センターに相談しに行っていたことを思い出しました。
    最後は要介護4でした。がんの痛みの治療をする緩和ケアのある病院に転院しました。ここで、医療から介護に移ったようです。この制度の仕組みが分かりました。有難うございました。

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