トランスジェンダーとは

トランスジェンダーという言葉を分解すれば、ジェンダーを越境する(トランス)者ということになります。
ジェンダーとは、「社会的性別(ないしは性差)」です。多くの社会には「女(男)はこうすべき」と言った「女らしさ」「男らしさ」に関する規範があります。この規範の性別による違いのことをジェンダーと言います。
例えば、「ジェンダー論」という名前の授業は、社会の「女らしさ」「男らしさ」で割り当てられる規範を学術的かつ批判的に捉える内容になっています。
このことから、トランスジェンダーとは、「男らしくない(女らしい)男性」「女らしくない(男らしい)女性」のことを指すと決めつけてはいけません。

ジェンダーという規範は「あなたは女(男)なんだから〇〇しなさい」という形で、人々に課されますが、この要求の中には「〇〇」に関する押し付けだけでなく、「あなたは女(男)」という決めつけが含まれていることも重要です。ジェンダーとは、わたしの側の事情と欲求にかかわらず、他者から男か女かを割り当てられ、それにふさわしい態度や行動を取るよう強制される現象のことを指します。

トランスジェンダーは、このように社会が手を変え品を変え割り当てようとする「性別」とは異なる性別を生きる現象、またはそのように生きる人々のことを指します。そのような生き方は、「ある性別からある性別へとその境界を飛び越えた人」のように見えるので、トランス(越境する)ジェンダーと呼ばれるのです。

そして、トランスジェンダーの人々がどこに力点を置いて自身の越境を意味づけているかによって、トランスジェンダーをいくつかの種類に分けることができます。

身体的な特徴をもとに割り当てられる性別とは異なる性自認(自身の性別がなんであると認識しているか)を生きるトランスジェンダーの人々を、トランスセクシュアルと呼びます。性自認は男性なのに「女性の身体」で生きなければならない、あるいはその逆、などと言った深刻な辛さをトランスセクシュアルの人々は抱えていると言えます。
生物学的「性別」を根拠に割り当てられる性別を生きるのではなく、場合によっては自身の性自認に沿う形に身体を変化させていくことを望んでいます。
身体的な特徴をもとに割り当てられる性別と性自認が一致していないことに対して違和感や嫌悪感を抱いている状態を「トランスセクシュアル」と表現することがあります。

次に、「狭義のトランスジェンダー」ですが、トランスジェンダーの種類の中でさらにトランスジェンダーの説明が出てくるというややこしい状態ですが、狭い意味でのトランスジェンダーは出生児に割り当てられた性別と性自認が異なる状態を指します。
自分は「男性」とされているが「女性(もしくは男性でも女性でもないせい)」としていきたい。などと考えている方などは「狭義のトランスジェンダー」と言えるでしょう。
また、性自認と身体的性が異なり、周囲から性自認とは別の性として見られるものの、外科的手術までは求めないと言った状態もこちらに含まれるでしょう。

医学的には性自認と身体的性は一致していて、容姿(服装や化粧など)に関する「女らしさ」「男らしさ」の割り当てに抵抗する人々を「トランスヴェスタイト」呼びます。
トランスヴェスタイトはクロスドレッサーとも呼ばれます。
トランスヴェスタイトの人々の性自認はここでは必ずしも問題となりません。周囲から女性とみなされ「女の格好」でいることを要求される人が「男の格好」をしたいと望む場合、この人の性自認は男性の場合も、女性の場合もどちらもあり得ます。すべてのトランスヴェスタイトの人々が常に異性装(異性の格好をすること)をして生活しているとは限りません。
歴史的にトランスヴェスタイトはトランスジェンダーに含まれるとして扱われていきましたが、現在そのように扱われることはほとんどなく、現代では「どんな性として振る舞いたいか(性表現)」と性自認は異なるとの認識が広まってきています。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。