「同性パートナシップ証明制度」真の必要性

2015年に東京都渋谷区で制定された「同性パートナーシップ証明制度」以降、「LGBT」という言葉が広く知られるようになりました。それに伴い「セクシュアルマイノリティ」への理解が深まりつつあります・

知っておきたいのは、各自治体で始まった「同性パートナーシップ証明制度」は「同性婚制度」ではないということです。現在の日本の法律では、同性間のパートナーシップについてなんの規定もしていません。日本で「婚姻」できるのは法律上(戸籍上)異性のカップルのみです。そのため、自治体が法律の範囲を超えて法律効果を定める規定を作ることはできません。

「同性パートナーシップ証明制度」は、あくまで自治体の「条例」や「要綱」を根拠にした制度です。そのため、民法が定めた婚姻と同様の法的効果を得ることができません。

そもそも、同性愛者の社会運動において、「結婚」は社会の異性愛主義の象徴として批判の対象でした。結婚が異性間でのみ認められているということは、裏を返せば結婚こそ異性愛者の既得権益(ある社会的集団が歴史的経緯により維持している利益)の象徴であるというほかなりません。なので、結婚は拒絶の対象であり、羨望の対象ではありませんでした。

同性間の婚姻が社会運動の目標として広範に支持されるようになるのは1990年代に入ってからです。1990年代頃、多くのゲイ、バイセクシュアル男性がエイズで亡くなるという悲劇の中で、エイズと戦うパートナーの介護や看取りの権利を、同性パートナーとする多くの男性が奪われました。患者の親などが息子の性的指向を隠すために病室や自宅から息子のパートナーを排除し、治療やその最期に付き添うことを拒絶したからです。

そのため、排除された側の男性は、パートナーの介護や看取りを可能にするため、配偶者であるという制度的な「お墨付き」を必要とするようになりました。
また、同じく1990年代には、夫と別れて、レズビアンとして女性パートナーと子供を育てる親が増加しました。カップルの双方が親として子供の養育に関わるために、婚姻という制度的な「お墨付き」を必要とする声が、レズビアン・マザーの中で大きくなったのです。

このように同性婚が要求されるようになった経緯へ着目すると、同性カップルに必要なのは異性間のものと同じ「結婚」という形なのか、それとも具体的な生活上のニーズを満たすならば別の制度でも良いのか、という問いになります。

医療同意見は本来一身専属権であるため、「パートナーシップ合意契約」を結んだとしても、パートナーに医療同意見を与えることはできません。なので、パートナーに病院での面会権を与えたい場合や、判断の代行を頼みたい場合には、、前もって書面で意思表示をする必要があります。

医療に関し不安を抱いている方には「療養看護の委任に関する書面」「医療における事前指示書」「医療に関する意思表示書」の作成をしておくことをおすすめします。
また、書面による意思表示だけでなく、パートナーが医療機関に駆け付けられるようにすることも必要です。エンディング・サポート事業の「登録カード」のように、医療機関からパートナーに連絡が入るように工夫が必要です。

「結婚とは男と女のもの」対「性別にかかわらずすべてのカップルに結婚制度を」という対立に問題を単純化せず、細かな論点を洗い出し、より良い(婚姻・パートナーシップを含むさまざまな)制度設計へとつながるように考えていくことが必要です。

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