カミングアウトへの対応

今後は、あなたの職場において上司や同僚などに対して自らの性的指向・性自認についてカミングアウトする社員が出てくる可能性もあると思います。社員から性的指向・性自認に関するカミングアウトを受けた場合にどのように対応することが考えられるでしょうか?

職場でのカミングアウト

性的指向・性自認に関係するカミングアウトの定義については、いまだに法律上の定義はありません。
今回は、カミングアウトを「明らかにしていない自らの性的指向・性自認などを他人に打ち明けることをいう」と定義します。

現在は、職場で自らの性的指向や性自認をカミングアウトしている LGBTは少数だと思います。
この点について、日本労働組合総連合会が実施して公表した「LGBTに関する職場の意識調査」(平成28年)では、次のような調査結果になりました。
・誰からもカミングアウトされていない、周囲にカミングアウトしたという人も聞いていない・・・81%
・職場の人からLGBTをカミングアウトされた、カミングアウトしていると聞いた・・・約7%

まだまだ、気軽にカミングアウトをするような環境とは言えない数字ですが、これには職場でカミングアウトをしたことにより、何らかの人事上・事実上の不利益を被るのではないかということを不安に感じているのではないかということが考えられます。
しかし、現在マスメディアなどさまざまな形でLGBTに関する啓蒙活動が行われており、職場のLGBT社員に関する取り組みを進めている企業が増加していることからすれば、今後は職場において、自らの性的指向や性自認についてカミングアウトする社員が増加することが想定されます。

性的指向・性自認に関するカミングアウトを受けた場合

①落ち着いて受け止める
職場に限らず、性的指向や性自認に関するカミングアウトを受けたことがない人の方が多いと思います。
しかし、性には多様性があり、現実にはさまざまなセクシュアリティが存在しているということは、当たり前のことなので、カミングアウトを受けても過度に驚いたりせずに、まずは落ち着いて受け止めてください。

②積極的にアドバイスをするよりも話をちゃんと聞く
職場でカミングアウトをする場合、信頼できる上司や同僚に対してのみカミングアウトをするということが多いと思います。
そのようなケースにおいて、カミングアウトを受けた者が、カミングアウトをした本人のためを思ってその場で積極的なアドバイスをしようとするケースがあります。
この時に、本人が望んでいたようなアドバイスが送れていれば、トラブルになる可能性はありません。
しかし、カミングアウトをする立場からすると、自分がLGBTであるために職場で抱えている悩みについて、聞いて欲しかっただけというケースも多く、また、LGBTについて十分に理解できていない段階でアドバイスをすることは返って不用意な発言をしてしまったり、トラブルに発展してしまうケースも存在します。

なので、カミングアウトを受けた時は、積極的にアドバイスをしようとするのではなく、まずはカミングアウトする本人の話をしっかり聞いてあげるというのが大切です。

③具体的な要求があったときの留意点
性的指向・性自認をカミングアウトをした社員から職場環境の改善等について具体的な要求があったり、人事部などに相談する必要があるケースが生じる場合があります。
そのような時に、本人の了解なしに独断で人事部などに相談してしまうのではなく、誰にどのように相談するかといった事項も本人と協議し、本人の了解を得た上で相談するといった配慮が必要です。

アウティングの問題

自身の性的指向・性自認をカミングアウトするどうかは、本人の選択の問題なので、緊急性のある場合や、やむ得ない場合を除いて第三者に開示する場合は原則として、開示の範囲・内容等について本人と協議をして、本人の了解を得た上で開示するといった配慮が必要です。

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