社宅に関する問題

企業で福利厚生の一環として、新入社員が入社が5年目までは入居することが可能な借上社宅を用意しており、賃料も割安で提供していました。そこに入居の申し出をしてきた社員がLGBTだった時に、それをよく思っていない社員からLGBT社員と同じ借上社宅に入居することへの不安などが申告があったときに、企業としてはどのような対応が考えられるでしょうか?
また、この企業では、入社後1年目までは、借上社宅へ入居してもらうことになっていますが、LGBTであることを理由に該当する社員から入居を拒否された場合には、どのような対応が考えられるでしょうか?

他の社員への対応策

LGBTに関する差別・偏見、誤解等が無くなっていない企業の現状において、借上社宅のケースでは、他の社員からLGBT社員と同じ借上社宅へ入居することに不安を感じるといった意見や要望がなされることもあるかもしれません。

ただ、一般的な借上社宅では、通常のマンションやアパートと同様に、トイレや風呂なども個別の部屋に完備されており、プライバシー等の保護は確保されているため、他の入居社員の漠然とした不安感などは保護に値しないと考えられますので、このようなケースでLGBT社員の入居を拒否することは許されないと解されます。

そして、他の入居社員の上記の不安感等については、入居社員等に対してLGBT研修を実施するなどをして、その入居社員のLGBTの理解が進むような社員教育を行うなどの対応が必要になります。

LGBT社員が入居を拒否した場合の対応策

そもそも、社宅への入寮の強制が可能であるかが問題となりますが、社宅への入居の目的自体は、現在においても相応の合理性があると考えられます。したがって、採用条件で社宅への入居が義務付けられることが明示されていて、その社員がそれを前提に入社を決断した場合で、入社後も就業規則等においても入居が義務付けられており、安全面にも相応の配慮がなされ、かつ、入居の目的との関係で入寮期間に限定(例えば入社1年目まで等)が設けられているのであれば、社宅への入居を一定期間強制することが可能なケースもあります。

社宅とはいえ、一般のマンションやアパートと同様に、個室にトイレや風呂が完備されていて、プライバシーに配慮されているような場合であれば、原則としてトランスジェンダーの新入社員に対してのみ、特段の配慮をすることは不要と考えられます。
例えば、社宅の風呂やトイレなどが共用であるような場合は、トランスジェンダーが、心の性に応じた風呂やトイレを利用したいという希望を持っていることへの配慮が必要になります。

その場合に、事業主は、まずその社員との間で、代替案を含めて協議を行うことが必要であり、また、代替案が見出しにくいような場合においては、例外的に社宅への入居を免除するといった対応を取らざるを得ないこともあります。

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