LGBTの児童生徒から相談を受けた場合の留意点

クラスの生徒から、性別違和感があるとの相談を受けた場合に、他の教職員と情報共有をしても良いか、また相談に応じる上での留意点とはどのようなものがあるでしょうか

否定しないで話を聞く

LGBTに対する差別や偏見により、LGBTの児童生徒は他人に自分のセクシュアリティを知られてしまうことに大きな不安を抱いていることが多いです。
児童生徒が勇気を出して相談をしてくれた場合、まず相談をしてくれたことをきちんと受け止めてあげることが大切です。
そして、きちんと児童生徒の話に耳を傾け、話を聞く際には、本人の話が要領を得ていなかったとしても、聞き手としては疑問に思うことがあったとしても、まずは本人の言いたいことを、否定せずに聞いてあげることが必要です。
児童生徒にとって、自分の話をきちんと聞いてくれる、相談してよかったという安心感と信頼感につなげていくことが重要です。

セクシュアリティは多様です。
いわゆるLGBT以外のセクシュアルマイノリティの方もたくさんいます。
性別違和にも程度の強弱があり、指定された制服を着ることが死んでも嫌だという児童生徒もいれば、制服を着る程度なら我慢できるという児童生徒もいます。またMTF(身体的には男性であるが、性自認が女性であるトランスジェンダー)だからといって「女性らしさ」を求めているとは限りません。MTFだからと言って、女性らしいとされている格好をすることを望んでいるとは限りません。

さらに、二次性徴が始まるより前の年齢で性的違和をもつ子供のうちには、最終的には同性愛であることがわかる場合や、性別違和感が軽くなったり、消滅したりする場合もあることが知られていて、最終的に性同一性障害と診断されるのは1〜2割と考えられています。
このように、児童生徒の成長に伴いセクシュアリティが変化していくこともあります。
なので、相談を受けたときには、児童生徒をこうだと型にはめてしまったり、決めつけたりせず、児童生徒のありのままを受け止めることが大切です。

何に困っているのか、どうして欲しいのか

困っていることや、その程度は児童生徒にとってさまざまです。
この場合には、こうすれば良いというマニュアルのようなものはなく、個性に応じた対応が必要になります。
また、児童生徒が相談をしてきたからと言って、何かをして欲しいと求めているとも限らず、ただ自分の話を聞いて欲しい、知って欲しいだけというような場合もあります。

支援の内容によっては、第三者にその児童生徒がLGBTであることがわかってしまう場合もあります。
本人が望んでいないのにもかかわらず、先走った対応をしてしまったことで本人が傷ついてしまうことにも注意が必要です。
本人の意思をしっかり汲み取り、何を必要としているのかを把握することが大切です。

他の教職員との情報共有についての注意点

児童生徒へ支援を行うにあたっては、相談を受けた教職員がひとりで抱え込むのではなく、組織的位取り組むことが重要とされていますが、児童生徒本人の意思を無視して、勝手に情報を共有することはアウティングとなり、児童生徒を傷つけてしまうこともあります。

担任、学年主任、管理職、養護教論、他の教職員、スクールカウンセラー、教育委員会、クラスメイトなど、誰にどのタイミングで、どこまで何を伝えて良いかを児童生徒と相談し、本人の了解を得ることが必要です。

なお、カミングアウトをするかどうかは、個人の自由です。
学校側としては、教職員、他の児童生徒や他の保護者、医療機関等と情報共有できた方が支援もしやすいですが、カミングアウトにはメリットもあれば、デメリットもあります。
学校側の管理の都合で、安易にカミングアウトを求めるべきではありません。

相談での対応も非常に大切ですが、まずは「この人になら相談できる」と思える先生が学校にひとりでもいることが、LGBTの児童生徒が学校へ通えることにつながりますので、学校としては、相談がしやすい環境作りをすることも大切とされています。

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