偏見、差別意識がある保護者への対応

学校内に自分がゲイであることをカミングアウトしている生徒がいて、あるクラスの保護者から、ゲイである生徒と自分の子供を別のクラスにしてほしいとの要望がありました。
学校としては、その保護者にどのように対応していけばよいのでしょうか?

偏見、差別を肯定すべきではありません

日本では、まだまだLGBTに対する理解が進んでおらず、偏見や差別意識を持つ人がいることは事実です。
しかし、LGBTであることは、病気でもなければ、他人から否定されるべきものでもなく、人間としての個性のひとつです。
したがって、このような偏見や差別意識に基づく要望に対しては、応じなければならない法的義務はないため、学校としては、毅然とした態度で拒否しても問題はありません。

保護者の対応の基本

不合理な主張を繰り返す保護者の存在は「モンスター・ペアレント」として社会問題となり、教育行政でも、保護者のクレーム対応についてのマニュアルが作成されたり、研修が行われるようになりました。
社会人として、日々合理的思考に基づいて仕事をしている人たちが、保護者としては、一転「不合理な主張」を行う保護者になってしまうことについては、保護者にとってはかけがえのない「子ども」という存在が、合理的思考をときには歪ませてしまうとの指摘がされています。
しかし、いくら子どものためとはいえ、保護者のクレームにすべて答えなければならないものではありません。
保護者の対応の基本原則は、クレーム内容に合理性があるかどうかを検討して、合理性のない主張に対しては、毅然とした対応を示すこと、合理的な主張で対応することが肝要です。

先ほどのように、ゲイの生徒に対する差別意識や偏見に基づくクレームには、合理性はないため、そのようなクレームに応じる必要はありません。

検討すべきこと

法的には、上記のことが言えるとしても、LGBTに対する偏見を持つ保護者がいるということは、学校としては無視し得ない問題ともなり得ます。
例えば、ゲイの生徒とその保護者の子供が同じクラスになることで、クラスの保護者会等で、その保護者がトラブルを起こしてします可能性が高いような場合には、無用なトラブルを防止するために、クラスを別にするという考え方もあります。
また、その保護者の子供も、その保護者と同様に差別意識や偏見を持っているような場合には、いじめを防ぐ観点から、クラスを別にすべきという現実的な配慮が必要なこともあるでしょう。

さらに、その保護者のクレームの背景には、自分の子どももゲイなのではないか、影響を受けさせないようにしたいといった考えがあるような場合には、その保護者の子どものためにも、保護者による理解を促すために、保護者に対する研修を行ったり、学校便りなどでLGBTについて取り上げたりするといった対応を取ることも考えられます。
不合理なクレームに応じる必要はありませんが、不合理なクレームにより、対応が必要な問題が明るみになり、無用なトラブルを回避するために、現実的な対応を取らざるを得ない場合もあります。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。