遺言書の基本サンプルと作成の要点

遺言書に何を書くかは自由です。
しかし、遺留分を侵害する相続分の指定や曖昧な遺産分割の指定など、自分の死後に相続人間でトラブルになりそうな遺言内容を書くのは避けたいところです。
遺言書を作成する場合には、メッセージも法律行為(例えば遺産の処分方法や相続排除、認知など)も、より具体的にかつシンプルに書き残すのがベストです。

ここでは、自筆証書遺言の基本サンプルをいくつか紹介しておきます。
(例1)一番簡単な遺言のサンプル

遺 言 書
私の財産を妻花子に相続させる。
令和3年5月1日
高野一郎 印

自筆証書遺言に要求されるのは、
①遺言の内容を記した全文
②日付
③氏名を自署する
④ハンを押す
法律上「遺言書」と言う表題は特に必要ありませんが、誤解されないためにも書いておいた方が良いでしょう。
なお、法定相続人が他にいない場合、また妻と兄弟姉妹だけの場合には、これで十分です。しかし、それ以外に法定相続人がいるような場合には、遺留分減殺請求を受ける心配が出てきます。

(例2)相続分を具体的に指定したサンプル

遺 言 書
私は次の通り遺言する。
1 妻雪子は三分の一
2 長男太郎は三分の一
3 二男二郎は四分の一
4 長女春子は十二分の一
私は、この遺言書の前文を書き、日付及び氏名を自署し、印を押した。
令和3年5月1日
高野一郎 印

複数の法定相続人がいる場合には、自分の死後のトラブルを避けるためにも、法定相続人の相続分を指定することです。
遺留分を侵害してしまわないように注意が必要です。
また、ここの相続人が受け取る相続物件を遺言書で具体的に指定することもできますが、この場合には、党希望や車検証などを見て、正確に書かなくてはなりません。
なお、例2に「私は、この遺言書の〜」と断り書きをつけてありますが、この一文は書かなくても構いません。

例3)遺言を撤回する場合のサンプル

遺 言 書
遺言者高野一郎は、この遺言により令和元年12月1日に作成した遺言書のうち全部の項目を撤回する。
令和3年5月1日
高野一郎 印

撤回する遺言が、たとえ公正証書で作成したものでも、遺言者は自筆証書遺言で自由に撤回することができます。
撤回したことを公証役場に連絡する必要もありません。

(例4)遺言執行者を指定するサンプル

遺 言 書
私は次の通り遺言する。
1 私は、下記の者を認知する。
東京都杉並区宮前六丁目7番8号ハイツ宮田203号
香川洋子
平成28年12月5日生
2 遺言執行者として、次の者を指名する。
東京都武蔵野市東久保3丁目4番5号
行政書士 角丸次郎
令和3年5月1日
高野一郎 印

この遺言は、認知の遺言です。
相続廃除や相続人ごとの相続物件が指定されている場合も、遺言内容の実現には事務手続きが必要となります。この場合、遺言執行者を指定しておくと、遺言の執行がスムーズに進みます。
なお、執行者の住所や職業は法律上の記載事項ではありませんが、このように書いておくと便利です。
ただし、いくら遺言で指定しても、その相手が必ず遺言執行者を引き受けてくれるとは限りません。また、複数人遺言執行者を指定することもできます。

(例5)特定の人に遺産を残すサンプル

遺 言 書
私は次の通り遺言する。
1 私の遺産のうち、三分の一は妻雪子の相続分とする。
2 私の遺産のうち、三分の一は2人の子供の相続分とし、太郎と二郎の相続割合は均等とする。
3 私の遺産のうち、三分の一は親身に私の世話をしてくれた長男太郎の嫁充子に与える。
令和3年5月1日
高野一郎 印

法定相続人がいる場合、それ以外の人にも遺産を残そうと思ったら、必ず遺言書を作らなければなりません。
そして、遺言書には遺産の中から何を与えるのか、この遺言のように、相続分や相続物件を明示しておく必要があります。

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