公正証書遺言とはどんなものか

公正証書遺言とは、遺言者が公証人(法務大臣が、判事、検事、弁護士、法務局長経験者の中から任命する法務局所属の特区別公務員)によって、遺言書を作成、保管してもらうものです。
自筆証書遺言と違って遺言者は遺言の内容を公証人に口述する(話す)だけで、実際の遺言書は公証人が書きます。
口述する内容は、順序立てて伝える必要はなく「遺産を誰にどれだけ」「この不動産を誰に譲る」などとできるだけ具体的に遺産の処分内容や相続人以外の受遺者(遺産を残す人)、廃除する相続人、そして遺言執行者を誰にするかなどを公証人に伝えます。

遺言書の文章は、遺言者の述べた趣旨に沿う形で公証人が作成してくれます。
また、口述する代わりに、遺言内容を書いた下書きを公証人に渡し、遺言書の文書を作成してもらう方法もあります。
もっとも、遺言内容は公証役場に行ってから考えるのではなく、事前に自分の考えをまとめておきメモなどに書き留めておくと、作成手続きがスムーズに進みます。

なお、口のきけない遺言者の場合には、遺言の趣旨を自書するか、手話通訳人に申述させる方法で、公証人への口述とさせることが認められています。

公正証書遺言の場合は、遺言者が自書するのは原則として公証人の筆記内容が自分の口述内容と比べて、間違えていことを承認する署名だけです。(遺言者が病気などで署名できないような場合には、公証人がその理由を付記して署名に代えられます。)

公正証書による遺言書は、法律の専門家である公証人が直接筆記しますので、方式不備で無効となることがないので安心です。
また、遺言者が口述した内容に、遺留分侵害など法的に問題があれば、公証人は遺言者に合法的な内容に改めるように助言をします。
公正証書遺言は、保管も確実で偽造の心配もなく、民法の定める遺言方式の中ではもっとも安全で確実なものと言えます。

ただし、自分で作れる自筆証書遺言と違って、公証人に支払う遺言作成手数料などの費用がかかります。
公正証書遺言の作成費用は、遺産を受ける相続人や受遺者の人数にもよりますが、公証人の手数料のほかは若干の郵便代がかかるのみです。(公証役場以外で作成する場合には、公証人の日当や交通費が必要です。)
公正証書遺言の手数料(公証人手数料例抜粋)

遺産の金額・内容公証人の手数料
100万円まで5,000円
200万円まで7,000円
500万円まで11,000円
1,000万円まで17,000円
3,000万円まで23,000円
5,000万円まで29,000円
1億円まで43,000円
3億円まで43,000円に超過額5,000万円までごとに、13,000円を加算する
以下省略

遺言者は印鑑証明で本人の確認をする

公正証書遺言書作成のため、公証役場にいく場合、遺言者は自分の財産目録や不動産登記簿謄本(登記事項証明書)など遺産の全容がわかる資料を持参する必要があります。
一般的には、遺言内容にかかわらず、次のようなものを用意しておくと良いでしょう。
①遺言者本人の印鑑登録証明書・実印
印鑑登録をしていない場合(実印がない場合)は、免許証などで本人の確認をしているようです。
②遺言者と相続人の続柄がわかる戸籍謄本(全部事項証明書)
③相続人以外に遺産を分けたい場合、受け取る人(受遺者)の住民票
④遺産に不動産がある場合は、不動産の登記簿謄本(登記事項証明書)・固定資産評価証明書
⑤証人2人
⑥遺言内容のメモ具体的な作成手続きや持参資料などが知りたい場合には、お近くの公証役場にお問い合わせください。

2人以上の証人

遺言者は公正証書を作成する場合、作成に立ち会う証人を最低2人は探さなければなりません。
この証人は公証役場での遺言書作成過程の全てに立ち会う義務があります。そして、公証人が筆記した遺言書が、遺言者の口述内容通りに書かれていることを確認し、遺言書に署名捺印します。
証人は、自分の遺言内容を証人にも聞かれることになりますので、秘密が守れる信用できる人物を選ばなければなりません。
ただし、次の人は証人になれません。
①未成年
②推定相続人、受遺者、それらの配偶者と直系血族
③公証人の配偶者、4親等内の親族、書記、及び使用人

公証人は、同じ公正証書を通常3通作成します。
1通は原本として公証役場に保管され、2通は正本及び謄本として遺言者に渡されます。なお、遺言者の依頼で通数を増やすことも可能です。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。