こんな遺言書にはご注意!その2

日付が書かれていない

自筆証書遺言においては、遺言書の全文を自書した上で、日付、氏名を自書して押印しなければなりませんが、その際に記入する日付は実際に存在する特定の日を表示する必要があります。
遺言書に日付の記載が要求されるのは、遺言者が遺言を作成した時点でその遺言者に遺言するだけ能力があったかどうかを判断するポイントになるからです。また、内容が相互に矛盾するような遺言が二つ以上見つかった場合、内容が矛盾する部分については最も新しい日付の遺言書が有効とされます。

遺言書に記載する日付については「令和○年○月○日」というふうに、明確な年月日を記載します。元号でも西暦でも構いませんし、漢数字でも算用数字でも構いません。数字の表記は「二十三」でも「二三」でもよく、「十」、「拾」、「10」のいずれの書き方でも大丈夫です。
なお「令和○年○月吉日」というような書き方は、無効になってしまいます。「吉日」と書いただけでは、日付を特定できないというのが原因です。また「令和○年の誕生日」や「満60歳の誕生日」というような書き方は、年月日を特定することができるので有効と言えます。
ただ日付は、遺言の正当性を証明するための絶対要件となりますので、令和○年○月○日と正しく書くことが一番おすすめです。

遺言の年月日が間違えていた時は

原則として遺言に記載されていた年月日が遺言の日付となりますが、明らかに日付が間違えているような場合もあります。例えば「2月31日」というように、暦に存在しない日付の表記や事実上あり得ない古い日付が記載されているような場合です。さらに、例えば遺言者が手術中であったというように、その日明らかに遺言者が遺言を書くことは不可能だった日が記載されていうようなこともあります。
遺言に年月日の記載が要求されるのは、最終的な真意確認のためです。
この、真意確保の観点からすると、明白な誤記については有効と考えることもできます。判例でも、手術日に内容を書いておいて、後日日付だけを遡らせて書いた遺言について有効としたようなケースもあります。

遺言書が二枚以上になってしまう場合は

遺言書に書きたいことがたくさんあって、遺言書が複数枚になってしまった場合も、一つの封筒に入れておけば同一の遺言書としてみなされます。さらにホチキスなどで閉じておいた方が、より確実です。
割印や契印(紙の綴じ目に印を押すこと)については、法律上定めがないため、特に必要とはされていません。
しかし、遺言書の偽造や変造を防止するためや、将来のトラブル防止のために、契印や割印をしておく方が安全性は高まります。
この契印や割印をするときには、遺言書の署名の下(横書きの場合は右)に押印した印鑑と同じ印鑑を使用するべきです。

遺言書を封筒に入れる

法律的には、自筆証書遺言を封筒に入れる場合に封をする必要はありませんが、封をする場合には封筒の綴じ目に遺言書で使用した印鑑と同じ印鑑で押印をしておきます。封印された遺言書を開封する時は、相続人または代理人の立ち合いのもと家庭裁判所にて開封しなければならなくなってしまいますので、相続人としては、封をしないでもらった方が手間がかからないかもしれません。
ただし、内容を人に見られたくない場合や、改ざんを防ぎたい場合にはきちんと封をして保管をするようにしましょう。

封をするときには、封筒の表に「遺言書」と書いておくだけでなく、「遺言の開封は家庭裁判所に提出して行わなければならない」と書いておいた方が安心です。
作成した遺言書の保管場所は、盗難・破損・水漏れすることのない安全な場所に保管をします。
保管中に、万が一間違えて開封してしまった場合、開封されてしまっただけで遺言の内容が無効になることはありませんので、再度新しい封筒を用意して再度押印の上、封をし直すことになります。

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