後見人等の仕事内容とは

成年後見人について

成年後見人は、日常生活に関する行為以外の全ての法律行為を本人に変わって行う代理権があります。また、成年被後見人が自分に不利益な法律行為を行った場合に取り消すことができます。
この二つの権限を持つ成年後見人が、実際に成年被後見人をサポートするために行う職務内容のことを、後見事務と言います。
後見事務は大きく分けて二つの業務があります。
まず一つ目は、財産管理です。財産管理とは、成年被後見人の財産を維持したり処分したりする職務です。成年後見人には、財産管理を包括的に行う権限が与えられています。財産管理の権限を部分的に与えられている保佐人や補助人と違い、成年後見人の財産に関する権限は非常に重要で強力なものとなっています。

成年後見人になってまずやらなければいけないことは、財産目録の作成と成年被後見人の生活や療養・看護、財産管理に必要になると予想される金額の算定です。
財産目録は、成年被後見人の財産状況を調査して作成するもので、成年後見人になってから1ヶ月以内に作成しなければいけません。
また、成年被後見人の財産を把握するだけでなく、本人が暮らしていくのに必要な費用や支出状況を把握しておくことは、その後の後見人の仕事をスムーズに行ってく上でも必要になります。

そして後見事務のもう一つ目の職務は身上監護です。
身上看護とは、成年被後見人の生活や健康管理に配慮することです。
例えば、介護サービスを利用するような場合に成年後見人が行う仕事は身上看護に含まれます。
ただし、あくまでも成年後見人に与えられている権限は、日常生活に関する行為を除く行為についての取消権や財産に関する法律行為についての代理権になるので、成年被後見人の生活や健康管理のために何かの労務(サービス)を提供するといった行為は成年被後見人の仕事ではありません。
成年後見人が、成年被後見人の生活を維持するためになんらかのサービスの提供を受ける必要があると判断した場合には、どのようなサービス提供を受けるかを選択して、サービスの提供を受ける契約を締結することが成年後見人の仕事になります。

保佐人について

保佐制度で本人を支援する人のことを保佐人と言います。保佐人の支援を受ける人のことを被保佐人と言います。
保佐人は、日常生活に関する行為以外の法律行為のうち、法律で定められている重要な行為についての同意権と取消権を持っており、本人に変わって行う代理権は原則として持っていません。

ただし、保佐の場合には、保佐開始の申し立てとは別に、代理権についても申し立てを行った場合には、代理権付与の審判によって代理権を持つこともできます。
代理権申立ての対象となる法律行為は、日常生活に関する行為以外の法律行為の中から本人しか行うことのできない法律行為を除いたものになります。
本人しかできない法律行為には遺言などがあります。
保佐制度を利用する時に、代理権付与の審判の申立てを行う場合には、対象となる法律行為の中から特定の法律行為を選び申し立てを行うことになります。

保佐人の職務は、後見の場合と同様に財産管理と身上看護という二つの内容に分けられます。
保佐人の場合、成年後見人と異なり、財産管理を包括的に行う権限は与えられていないため、財産管理を行う際の対象となる法律行為の範囲は、家庭裁判所で付与することが認められた権限の範囲内で行うことになります。
例えば、財産目録の作成、本人の生活や療養・看護、財産管理に必要となると予想される金額の算定は、保佐人の職務ではありません。
ただし、必要がある場合には、家庭裁判所は保佐人に財産目録の作成を指示することもあるので、指示があった場合には保佐人は財産目録を作成しなければなりません。

身上看護については、成年後見人と変わりません。

補助人について

補助制度を通して本人を支援する人を補助人と言い、支援を受けるの本人のことを被補助人と言います。
補助人は、補助開始の審判が下されただけでは、なんの権限も持っていません。補助人に与える権限の種類と範囲については、本人の意思が尊重されるため、別途家庭裁判所に申し立てを行った上で、審判が下されることになります。

補助人の職務の対象となるのは、他の類型と同様に被補助人の日常生活に関する行為以外の法律行為です。このうち、補助人に同意権と取消権を与える場合には、法律で定められている重要な行為の中から特定の行為を選んで申し立てを行います。

財産管理については、補助人に同意権が与えられている場合には、補助人に与えられた同意権の範囲内の法律行為を被補助人が行う場合に、同意を与えることになります。補助人の同意を得なけらばならない法律行為を、被補助人が同意を得ずに行った場合は、補助人は必要に応じてその行為を取り消すことができます。

補助人は、成年後見人や保佐人と異なって、最初からある程度の職務内容が予定されているわけではありません。権限の種類と範囲は審判で定められた範囲に限られます。財産管理や身上看護もこの範囲内で行うことになります。
財産目録の作成などは原則として補助人の職務ではありませんが、保佐人と同様に家庭裁判所から作成の指示があった場合には、作成をしなければなりません。

身上看護については、成年後見人や保佐人と同様です。

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