成年後見登記制度とは

法定後見制度や任意後見制度を利用している場合に、その後見がどのような内容であるかを公示する制度を成年後見登記制度と言います。
成年後見制度を利用すると、成年後見人等に認められている権限の範囲や任意後見契約の内容などが法務局で登記されます。
登記された内容は、請求に応じて発行される登記事項証明書に記載されます。
登記事項証明書は、登記の内容を記し、その内容が確かに存在しているということを証明する公的な証明書になります。登記事項証明書の発行は、請求を受けた登記官が行います。
登記事項証明書があれば、成年被後見人と第三者との間で行われる契約の締結に際して、成年後見人が本人を代理して契約する権限を持っていることを、取引の相手方に対して証明することができます。

このように、成年後見制度を利用していることを公示することで、成年後見人等の信頼性が高まり、契約などもスムーズに行えるようになります。ただ、公示するとはいっても、誰でもその登記内容を見られるわけではありません。
成年後見登記制度は、成年後見制度の利用状況の公示と本人のプライバシーの保護を両立するように配慮されています。

登記手続きの流れ

法定後見制度では、後見・保佐・補助を利用するときに、申立権者が家庭裁判所に開始の申立てを行います。
申立てを受けた家庭裁判所による審理等を経て開始の裁判が確定すると、その内容が法務局で登記されます。
一方、任意後見制度の場合、任意後見契約が公証人による公正証書で作成されます。
公正証書が作成されたときに、その内容を公証人が法務局に通知します。その後、実際に任意後見監督人選任の申立てがなされ、家庭裁判所によって任意後見監督人が選任されると、家庭裁判所の書記官は法務局に対してその内容を通知します。

法定後見の登記内容

成年後見制度は、本人のプライバシーを保護しながら、取引の安全を図る制度です。ここでは、具体的にはどのような内容が登記されるのかをお伝えしていきます。

①法定後見の類型(後見・保佐・補助のいずれかを明記)
②開始の裁判の確定日と審判を行った裁判所
③本人の氏名・生年月日・住所・本籍(外国人の場合は国籍)
④成年後見人・保佐人・補助人・成年後見監督人・保佐監督人・補助監督人の氏名、住所(法人の場合には法人の名称や商号、主たる事務所や本店)
⑤重要な法律行為以外に保佐人に認められた同意権の範囲・代理権の範囲(当てはまる場合のみ)
⑥補助人の同意権・代理権の範囲
⑦成年後見人、成年後見監督人が複数選任された場合の権限のあり方(共同で行使するか、分けて行使するかなど)についての家庭裁判所の決定内容
⑧後見・保佐・補助が終了した年月日と終了の理由

任意後見の登記内容

任意後見の場合は、任意後見契約を結んだときと、実際に任意後見監督人が選任された場合に登記されますが、このほかにも変更があった場合には登記をする必要があります。
任意後見の具体的な登記内容は次の通りになります。

①任意後見契約の締結に関して、公正証書を作成した公証人の氏名、所属、作成年月日
②本人の氏名、生年月日、住所、本籍(外国人の場合には国籍)
③任意後見人、任意後見監督人の氏名、住所(法人の場合には法人の名称や商号、主たる事務所や本店)
④任意後見人に認められる代理権の範囲
⑤任意後見契約で複数の任意後見人が選任された場合における、代理権のあり方(共同して行使するかどうか)
⑥複数の任意後見監督人が選任された場合における各任意後見監督人の権限(共同で行使するか、分けて行使するか)についての家庭裁判所の決定内容
⑦任意後見契約が終了した年月日と終了した理由

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