「おひとりさま」の就活

高齢化や家族の形の変化によって、人生の後半期を「おひとりさま」で過ごす方が増えてきています。
おひとりさまは、万が一ご自身に何かがあった場合には「遠い親戚」や「他人」にサポートを頼まざるを得ません。どういうときにサポートが必要になるのか、そのためにどのような準備が必要なのか、「おひとりさまの終活」についてお伝えいたします。

おひとりさまの老後リスク

おひとりさまの定義にはさまざまありますが、ここでは一緒に暮らす配偶者やパートナー、子や兄弟などがいない人とします。また、こうした人がいたとしても、高齢や認知症、障がい、海外在住、交流がないなどのために実際に頼ることができないという人も当てはまります。

自分に何かあったときに誰かに気がついてもらえないということは、生前死後を含めて大きなリスクを伴います。
たとえば、
・生前のリスク
病気や怪我で入院・手術をすることになったときや、高齢や認知症などによって自分一人で生活することが難しくなったときには、まず身元保証人や手術の同意をする人が必要になります。
身元保証人に求められる役割は、治療費などの支払いの保証と、転院が必要になったときや死亡した時のサポートや引取などです。入院時に必要な保険証やお金、着替えなどの身の回りの物などは、あらかじめ分かっていれば準備をすることができますが、緊急入院時には、誰かに持ってきてもらうことになります。
お金がないと治療費の支払いや売店などでの買い物もできないですし、また保険証がないと保険治療ができず治療費が高額になってしまうことがあります。

さらに体力や気力の低下、認知症の発症により、一人での生活が難しくなることも考えられます。
十分な食事ができないことによって健康状態が悪化してしまったり、洗濯や掃除などの家事ができずに不衛生な環境で生活をせざるを得ない場合も出てきます。
また、ひとり暮らしでは、詐欺や犯罪に合うリスクが高まります。

・死後のリスク
人がなくなった後にはさまざまな事務処理や手続きが必要になります。
最も急を要するのは遺体の火葬や遺骨の処理です。せっかくお墓の準備をしていても、誰かに伝えていなければそこに入ることはできません。
そのほかにも、
①死亡届や社会保険関係(公的年金、公的医療保険、公的介護保険など)の届出
②賃貸契約や公共料金、電話等の解約手続き
③亡くなった人の準確定申告
④相続手続き(自宅や金融資産などの処分)
⑤家財道具などの遺品の処分
などがあります。これらを誰に頼むのか考えておくことが必要です。

就活を始めたらやるべき7つのこと

1 エンディングノートを書いてみる
エンディングノートは、就活の入り口であり、これから何をたったらいいのかを示す手引きとなります。
書いて見ることで自分の過去を振り返り、これからの生活を考えるきっかけにもなります。
これから5年後、10年後どんな暮らしをしたいのか、どのような最期を迎えたいのか、将来の自分と向き合ってみることが大切です。またノートに書いておくことで、書いた内容(自分自身の情報や希望)を、万が一の時に誰かに伝えられることができます。

2 かかりつけ医・かかりつけ薬局を作る
自分の健康状態を把握してもらい、体調について相談することができる「かかりつけ医」を作っておくと安心です。
持病などで複数の病院に通院しているような場合には、「かかりつけ薬局」も重要になります。処方薬のダブりによる過剰摂取や飲み合わせについてアドバイスをもらうことができます。

3 入院セットを用意する
突然の入院に備えて入院時に必要なものをバックにまとめてわかりやすい場所に置いておきましょう。
中には、健康保険証や少額の現金、自宅のスペアキー、お薬手帳、着替え、洗面用具、親戚や友人などの連絡先などを入れておくと便利です。

4 身元保証人や身元引受人を決める
ほとんどの病院や高齢者施設等では入院や入所の際には身元保証人や身元引受人が求められます。
頼れる人がいる場合には、早めにお願いしておくようにしましょう。
入院費や入居費用の支払いなどお金が絡むことなので、遺言や生命保険などの加入によりその人にお金を残せるようにしておくと良いでしょう。
頼れるような人がいないような場合には、専門家や事業者などに頼む必要があります。

5 荷物の整理
生きていればその分持ち物が増えていくのは当然です。
しかし、家の中に物が溢れてしまっているような状態では、室内での転倒リスクが高まりますし、遺品整理の際も大変になります。老後に向けて、できるだけものを減らしてスッキリ暮らすようにすることをお勧めいたします。

6 お金の流れと資産の確認
お金の流れと資産の確認をしておくと、今後の暮らしを考えるときや、財産管理を他人に頼む時にも役に立ちます。
きっちり家計簿をつけていなくても、預金通帳で収入と支出を調べることができます。
資産については、一覧表を作成しておくと便利です。

7 死後手続きの準備
火葬や納骨をどうするか、死後の手続きは誰に頼むか、財産は誰に渡すか、遺品をどのように処分してもらうか、といったことを考えます。
その上で、各種の情報や希望をエンディングノートに書いておく、必要に応じて遺言を作成する、専門家と契約を結ぶといった具体的な対応を行なっておきます。

やるべきことや考えることがたくさんあって大変だと感じるかもしれませんが、最後まで「自分らしく」を実現するためには必要なことになります。
まずはできることから一つずつ始めてみましょう。

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