相続の4つのポイント

相続とは何か

相続とは、ある人が死亡した場合に、その亡くなった人が保有していた全ての財産や権利・義務を、配偶者や子供など一定の身分関係にある人が受け継ぐことを言います。

日本では私有財産制度が認めれれていますが、財産を持つ人がなくなった場合、この財産の取り扱いを定める法律がないとその財産が宙に浮いてしまうことになります。また、亡くなった人が持つ権利や借金、未払いになっている税金といった負債を抱えていた場合、これを引き継ぐ制度を定めておかないと、亡くなった人との間に利害関係があった人たちが困ってしまうことになります。

相続制度そのものは家父長制度時代から存在しますが、現在は、こういった事態を避ける意味も含めて相続制度というものが定められています。
なお、死亡には、自然な死亡だけでなく、行方不明になってしまってから7年経過した場合には「失踪申告」や事故や災害などで亡くなった可能性が極めて高い場合には「認定死亡」などの法律上の死亡も含みます。

相続の3つの方法

相続の方法としては、
①遺言書による指定
②遺産分割協議書による遺産分割
③遺産分割調停

相続においては、被相続人の残した遺言書による指定が最優先されることになります。
ただし、この場合には遺言書の法的有効性が重要になりますので、遺言書があることが分かったら、家庭裁判所で「検認」の手続きをしていただく必要があります。
遺言書がない、あるいは遺言書による指定のない財産については、相続人同士の遺産分割協議により分割することになっています。もし、その協議がまとまらない場合には、裁判所で遺産分割協議の調停を行うことになります。

相続で知っておくべき4つのポイント

①相続財産になるのはなにか
相続と聞くと、現預金や不動産、美術品といったいわゆる「売買しうる資産」「市場価値のある財産」のことを思い浮かべますが、日本の相続制度は「包括承継」といってプラスの財産だけでなく、マイナスの財産も引き継ぐことになっています。
相続の対象となるプラスの財産、マイナスの財産には次のようなものがあります。

・プラス財産
動産(現預金、有価証券、貸付金、売掛金、自動車、家財、船舶、骨董品や所外、貴金属など)
不動産(宅地、農地、建物、店舗、居宅、借地権、借家権など)

・マイナス財産
負債(借金、買掛金、ローンやリースの未払い分など)
未払い税金など(所得税、住民税、固定資産税、延滞税等の未納分)
未払費用等(水道光熱費、電話代、医療費、家賃など被相続人が使用していた期間分のうち未払いのもの)

・相続の対象とならない財産
一身専属的な権利義務(生活保護受給権、国家資格、親権、扶養義務など)
香典、弔慰金、葬儀費用
生命保険(被相続人自身が保険金の受取人になっているものを除く)
死亡退職金(受取人指定がなく、被相続人に受取りの権利があるものを除く)
遺族年金(被相続人自身が保険金の受取人になっているものを除く)
墓地、墓石、仏壇、祭具、系譜(祭祀主催者が承継するが遺産分割の対象とはならない)

「相続の対象とならないもの」とは、あくまでも「民放上の相続対象とならない財産」です。
生命保険や死亡退職金については、民法上の相続対象とはなりませんが、税法上では「みなし相続財産」として相続税の課税対象となります。

②遺産をもらうのは誰か
遺言書がある場合は、原則として遺言書の内容が優先されます。
遺言書がない場合や遺言書に定められた財産以外について指定がない場合には、民法に従って法定相続人が遺産を受け取ることになります。
「誰が法定相続人になれるのか」については、民法で次のように定められています。
配偶者(法律上の婚姻関係にある配偶者のみ。事実婚や内縁の妻は含まれません)は、常に法定相続人になります。
配偶者以外の親族(血族のみ)については、相続する順位が決まっています。
第一順位:直系尊属(子や孫)及びその代襲相続人
第二順位:直系尊属(父母や祖父母)
第三順位:兄弟姉妹およびその代襲相続人

「代襲相続人」とは、生きていれば相続権がある人がすでに亡くなっている場合に、その地位を引き継いで相続権を持つ人を言い、その人の直系尊属(子や孫)が代襲相続人になります。

③遺産をどのように分けるか
②と同じく、遺言書がある場合はその内容が優先されます。
遺言書に指定がないような場合には、相続人による遺産分割協議を行いますが、まとまらない時には調停や審判により法定相続分に基づいて遺産分割方法が決定されます。

法定相続分とは、民法に定められた各法定相続人の相続割合のことを言います。
法定相続分は、相続順位ごとに次のように定められています。
<配偶者と子が相続人>配偶者2分の1:子2分の1
<配偶者と父母(祖父母)が相続人>配偶者3分の2:父母(祖父母)3分の1
<配偶者と兄弟姉妹>配偶者4分の3:兄弟姉妹4分の1
配偶者以外の相続人が複数いるような場合には、その人数で相続分を等分に分けることになります。

④相続税は発生するか
相続をしたからといって、常に相続税が発生するわけではありませんが、相続税法上の相続財産には民法上の相続財産以外もあるので注意が必要です。
相続税が発生するかどうかは、「相続税の課税対象となる金額(課税価格)の総額が基礎控除額を超えるかどうか」で判断することになります。

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