相続登記の際の必要書類の取得手順

相続登記をしようと登記簿(登記記録)を調べてみたときに、個人(被相続人)の住所が全く知らない昔の住所のままになっていたということがあります。このような場合には、どのような書類を取得すれば良いのか、書類を取得しても住所がつながらないような時は、どうすれば良いのかをお伝えいたします。

登記簿と住所が一致しない

不動産の所有者は登記簿を見ればわかりますが、登記簿においては個人を住所と氏名の一致により特定しますので、登記簿手続きにおいては、住所と氏名が一致しないと同一人物とは言えません。
例えば、登記簿上の住所がA 市である山田一郎さんと、住民票の住所がB市である山田一郎さんが、たとえ同一人物だったとしても、登記手続きを行う際には別人として取り扱われるということです。
上記の取り扱いは相続登記においても同じです。

B市に在住していた山田一郎さんが死亡して、その相続人が相続登記のために登記簿調査をしたところ、登記簿上は「(住所)A市 (氏名)山田一郎」となっていたとした場合は、相続登記の申請時に添付する住民票の附票には「(住所)B市 (氏名)山田一郎」と記載されているため、登記簿上の山田一郎とは別人とみなされてしまうことになります。

そのため、まずは相続登記の前提として亡くなった山田一郎さんと登記簿上の山田一郎さんが同一人物であるということ証明しなければいけないので、山田一郎さんがA市からB市へ転居したことを証明する書類を添付する必要があります。
通常、住民票には前住所の記載がありますので、山田一郎さんの住民票の附票に「A市から転入」した旨の記載があれば、その住民票の不評を添付すれば大丈夫です。

しかし、山田一郎さんがA市→C市→D市→B市と住所移転をしていたような場合には、住民票の附票には『D市から転入」した記載のみで、登記簿上のA市は出てきません。また、住民票の附票には保存期間が決められているため、そもそも山田一郎さんの住民票の附票が取得できないこともあります。
このような場合を「住所がつながらない」と言いますが、このような時は相続登記のために住民票の除票以外の書類を取得しなけらばなりません。

必要書類について

①住民票の除票
楽しく町村に転出や死亡などにより住民登録が消除された住民票を「住民票の除票」と言います。
被相続人の死亡時の住所が登記簿の住所と一致している場合には住民票の除票(本籍地の記載あり)のみを添付すれば良いです。また、住民票の除票に全住所の記載があり、その前住所が登記簿の住所と一致している場合も住民票の除票のみで良いです。

ここで、注意しなければいけないのは、住民票の除票保存期間です。令和元年6月20日に住民票基本台帳の一部が改正され、保存期間が150年に延長されましたが、それ以前は保存期間が5年間とされていました。
つまり、平成26年の時点で亡くなってから5年を経過していた方、つまり平成21年以前に亡くなった方の住民票の除票は、すでに市区町村でデータを消去してしまっているため取得できない可能性が高いです。

②戸籍の附票
「戸籍の附票」とは、本籍地の市区町村において戸籍と合わせて編成されるもので、その戸籍が編製されてから(またはその戸籍に入籍してから)現在に至るまで(またはその戸籍から除籍されるまで)の住所が記載されています。

仮に生まれてから亡くなるまでに10回以上転居した人であっても、本籍地がずっと同じであればその本籍地で戸籍の附票を取得すると一生分の住所がわかることになります。一つ前に住所だけが記載されている住民票と異なり、戸籍の附票には全ての住所が記載されますので、住所の除票で住所がつながらない場合でも、戸籍の附票でつなげることができます。
しかし、この戸籍の附票も住民票の除票と同じく令和元年の法改正までは保存期間が5年とされていたため、平成21年以前に戸籍の全員が除籍になっていたり、改正原附票になっていた場合には取得できない可能性があります。

③登記済証(登記識別情報通知
住民票の除票や戸籍の附票で住所がつながらなければ、公的な書類で住所のつながりを証明することは不可能になります。
その場合には、「登記済証」を添付して登記簿上の所有者と被相続人の同一性を証明します。
登記済証とは、不動産について所有権を移転登記したときに法務局から発行される書類で、一般的には「権利証」と呼ばれています。この登記済証は、登記したときに所有者本人に対して交付され、いかなる理由があっても再発行はされません。
つまり、登記済証は所有者本人だけが持っているものであり、登記手続きにおいて所有者の本人確認の役割を果たしてくれます。

相続登記において被相続人の死亡時に住所と登記簿上の住所がつながらなくても、所有者だけが持っている登記済証を相続人が提出しているのだから、登記簿上の所有者で間違いないだろうということになるのです。

④相続人全員の上申書
では、住民票等で住所がつながらず、登記済証も紛失してしまっているような場合にはどうすれば良いのでしょうか。
この場合には、最終手段として相続人全員からの上申書です。
「登記簿上の所有者が間違いなく自分の被相続人である」ということを、相続人全員が法務局に対して申告します。
この上申書には相続人全員が実印を押印し、印鑑証明書も合わせて添付します。

遺言や遺産分割協議で法定相続人のうち誰か一人が不動産を取得することになっていたとしても、この上申書は法定相続人全員が署名捺印する必要があります。
また、この上申書だけでは足りず、併せて戸籍の附票等の破棄証明書や不在籍証明書、不在住証明書、固定資産税の課税証明書などの提出を求められる場合もあります。
万が一、住所がつながらず登記済証も紛失してしまっているような場合には、一度管轄の法務局に問い合わせをしていただくことをお勧めいたします。

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