親の介護をした人は他の相続人より多く遺産をもらえるか?

親の介護をした人は他の相続人より多く遺産がもらえるのか?
残念ながら、介護をした人が相続でたくさんもらえるというはっきりとして法律はありません。
介護して分財産を多くもらうという考え方は、「寄与分」という考え方に基づきます。「寄与分」とは亡くなった方の財産の維持または増加について「特別の寄与」をした人がいるような場合に、貢献度に応じて相続できる財産をプラスする制度になります。

介護における「特別の寄与」とは、「無償で介護したこと」、「介護したことで亡くなった方の財産の維持または増加に役立ったこと」、「相続財産を多くもらえるほどの貢献だったこと」が要件になりますが、要件を満たしているかどうかなどについては、他の相続人がこれを認めないようであれば、遺産を多くもらうことはできません。

他の相続人からしてみれば、「寄与分」を認めることは自分の相続財産が減るということにつながるため、認めてもらうことは大変難しいと言えます。
それでも「寄与分」を認めて欲しいという時には、家庭裁判所に申し立てをして調停をすることになります。そこでも話がまとまらないような場合は、裁判になります。

ちなみに、令和元年7月相続法改正で、相続人以外の親族(例えば同居する長男の妻など)が無償で被相続人の療養介護を行った場合に、相続人に対して寄与度に応じた金銭(=特別寄与料)を請求できる制度ができましたが、これは「寄与分」と同様の考えです。

裁判になった場合、どのくらいの額が認定されるかというのを過去の判例で見てみると、重度の認知症の老人を10年以上介護していた人が相続分を争って裁判を起こした判例がありますが、1日数千円程度の寄与分(相続の上乗せ分)を認めてもらう程度だったようです。

負担の軽い介護だった場合、裁判を起こしたとしても相続の上乗せを認めてもらうこと自体が難しいバターンもあるようです。

介護する家族で揉めやすい問題

ちなみに、介護に関してよく問題になることとしては、「通帳の管理」です。
要介護状態になると、面倒を見ている人が通帳から現金の出し入れ、生活費や介護費用の管理などをすることになります。
介護にかかる費用は決して安いものではありません。それをどんどん通帳からおろしていると、「親の金を勝手に使った」とあらぬ疑いをかけられることがあるのです。
そうならないためにも、介護用の通帳を作成し何に使ったのかがわかるように管理することも、円満な相続のためには必要になる場合があります。

介護をした人としていない人とでは、感じる負担が違います。
ツラい介護を経験した上に、ツラい遺産争いを経験するなんてことにならないためにも、事前にしっかりとした対策を考えておくことが必要です。

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