コロナ禍で注目される「オンライン墓参り」

コロナ禍でこれまでのような外出が難しくなるほか、葬儀や墓参りでも「オンライン」が新たな選択肢として注目され始めています。
オンライン墓参りは現実のお墓がなくても成立するものなのか、そしてコロナ感染が収束したあともオンライン墓参りは定着するのかを考えてまいります。

オンライン墓参りには二種類あります

まず、「オンライン墓参り」には、現在二種類あります。
実際の墓地にあるお墓をネット中継するなどして向き合うものと、ネット上にデジタルのお墓を構築してそこにお参りするものです。
後者は、「現実のお墓がなくても成立する」タイプになっています。専用サイトにログインをして、ネット上の墓地を進み、目的のお墓の前で手を合わせる。こうした仮想現実型のサービスは中国で2008年にスタートしたネット墓地サービス「中国りょうもう」が知られていますが、日本国内でも2000年前後から類似のサービスが一部で提供されています。

そうしたお墓の形に拘らない先駆としては、1995年にスタートした「The World Wide Cemetery」や、翌1996年誕生の「Virtual Memorials」といった米国発の追悼サイトが有名です。最近では1億を超えるビジターを抱えるような追悼サイトもあります。

これらは、そもそも遺骨は遺灰、墓石などを必要としません。必要なのは故人を偲べるネット上のスペースと、個人の生前の記憶、あとは訪れた人の書き込みもあればより一体感が生まれます。

また、前者のようなオンライン墓参りを提供する会社自体は「オンライン葬儀」や「オンライン法要」と同様に10年近く前から確認されていますが、やはりコロナの流行後に急激に注目度が高まり、新興サービスも増えています。
例えば、ある墓石店はお墓の清掃や献花込みで2万円〜という価格を打ち出しています。

「オンライン墓参り」は新たな習慣となるか

一方で、現実のお墓参りとオンラインお墓参りの間には、さまざまな違いがあります。
故人を偲ぶ、故人に現状を報告するといった行為は共通していますが、お墓参りをきっかけに親類縁者や菩提寺と交流するといったことは、現実のお墓参りならではのものになります。お墓参りをして故郷の空気に触れて、自分の往時を思い出したりするのも良い時間です。
対して、オンラインお墓参りでは、感染症の不安がなく、個々のスケジュール問題を排して合理的に追悼できるという強みがあるので、体調に問題があったり、仕事の都合でなかなか故郷に帰ることができない方にとっては貴重な拠点になると言えます。

どちらが良い悪いということはありません、代替可能な部分とそうでない部分が両者には存在するということです。
「オンライン墓参りがあるから、現実の墓参りは行かなくていい」「現実のお墓があるから、オンライン墓参りはいらない」と短絡的に捉えてしまわず、追悼の選択肢をなるべく広げるという意識で向き合うと良いかと思います。

しかし、オンライン墓参りというのは、まだまだ世の中に出てまもないサービスと言えますので、どれくらい定着するかも分かりませんし、仮に一過性のもので終わったとしても後悔することがないようにしてください。
墓じまいや樹木葬などへの改葬(お墓の引越し)を考える際に「オンラインがあるから」という考え方はせず、単独の問題として考えて決断するのが、今のところは良いと思います。

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