「墓じまい」の費用、手続きなど

少子高齢化や世帯構成の変化で、先祖代々の墓を守り続けることが難しくなってきています。
こうした背景から、近年増えてきているのが「墓じまい」です。今ある墓から先祖の遺骨を取り出して、別の墓に引越しすることで「改葬」とも言われますが、中には遺骨を家に置いたり散骨をして自然に還す人もいます。
この機会に、墓じまいのことを少し考えるきっかけになればと思います。

以前は、先祖代々の墓を引き継ぎ守っていくという習慣は、子供が実家を継いでその地域に住み続けるのが前提で成り立っていました。しかし、現在は単独世帯や夫婦のみの世帯が全体の過半数を占めるようになり、墓を守り続けることが難しくなってきているのが現状です。
実際に、厚生労働省の「平成30年度衛生行政報告例」によると、墓じまい(改葬)は11万5384件と10年前の調査と比べると1.6倍増加しています。

墓じまいをするには、現状の墓がある市区町村役場の許可が必要で、その際に墓の管理者である霊園や寺院の埋葬証明が求められます。具体的には、役場から取り寄せた「改葬許可申請書」の墓地管理者の証明欄に記入してもらうというものになります。
霊園であれば、事務的に対応をしてもらうことができますが、菩提寺の場合はトラブルに発展してしまうような例も見られます。例えば、住職が記入するのを拒否したり、数百万円といった高額な「離檀料」を請求してくるようなケースや、その金額で折り合いが付かない場合があるようです。
離檀料とは、これまでお世話になった寺に対して感謝の意を示すものです。ただし、お墓を建てる時の契約書に離檀料についての取り決めがない限り支払い義務はありません。
寺によっては離檀料を受け取らないようなところもあります。

離檀料の相場は、一般的なお寺であれば3〜5万円程度が相場かと思いますが、格式の高い寺だと20万〜30万というケースも多く見られます。それを大きく超える金額を求められた場合には、交渉の余地があります。

菩提寺にとっては、墓じまいは檀家が離れることであり、護寺会費などの収入が得られなくなることから、こうした対応に出てしまうのだと考えられますが、本来寺院に記入を拒否するような権利はありません。
ただ、こじれてしまうと裁判に発展してしまうケースもありますので、注意が必要です。
寺院の許可は必要ないとはいえ、申請書に記入してもらわなければ原則として役場は墓じまいの許可を出しません。
揉め事がなかなか収まらないような場合には、専門家に相談するのも検討してみてください。

合葬や合祀なら次世代の負担が少なくなります。

埋葬の証明書に霊園や寺からサインをもらいましたら、その「改葬許可申請書」を役場に提出をして、「改葬許可書」を発行してもらいます。
この際に、役場によっては移転先の霊園や寺が発行する「受け入れ証明書」を要求してくる場合があります。
事前に移転先から証明書をもらっておくとスムーズですが、散骨をする場合や移転先を決めてないような場合は必須ではありません。

許可書が発行されましたら、霊園や寺院側とお骨を出す日程を調整し、石材店などに原状回復工事を依頼します。
原状回復と墓石の破棄にかかる費用は区画の面積や工事車両の入りやすさなど、条件によって異なりすが、1㎡あたり10〜20万円程度が相場になるかと思います。

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