相続手続きしない7つのリスク(その1)

相続手続きをしないままでいるとどうなるのでしょうか?
不動産や預金、株式などの遺産を相続しても、名義変更や登記などの相続手続きを面倒に感じてしまう方は少なくありません。
しかし、きちんと手続きをしておかないと、せっかく相続した権利が失われのでしまったり、借金を引き継ぐことになってしまったり、さらには税金滞納状態になってしまうリスクも発生します。
今回は、相続手続きをしないで放置してしまった場合のリスクを7つお伝えいたします。

⒈不動産の相続登記をしないリスク

土地や建物、マンションやアパートなどの「不動産」を相続したら、法務局で「相続登記」をしなければなりません。
相続登記は2021年時点では義務になっていませんが、今後2024年を目処に土地や建物の相続を知った日から3年以内に登記するように義務付けられます。そのため、相続登記の手続きが簡素化されたり、管理が難しい場合は相続した土地を手放して国庫に納められる制度が新設されます。
また、現時点においても相続登記をせずに放置してしまうと、以下のようなリスクが生じてしまいますので注意が必要です。

①第三者に先に登記されてしまい権利が失われる
不動産を第三者に先に登記されてしまった場合には、その第三者に自分が相続した不動産の権利を主張できなくなってしまいます。

②さらに相続が起こって権利関係が複雑に
相続登記をしない間に所有者が亡くなってしまい、2回目の相続が発生すると、不動産が次の世代(相続人の子など)へ引き継がれることになります。
ところが、不動産の所有名義は「祖父(祖母)」の代の人のままなので、客観的には誰が権利者なのか分かりにくくなってしまいます。

③後の世代における相続登記が面倒
上記のように次の世代に引き継がれた場合、次の世代の相続人は「祖父母の代」と「親の代」の2世代分の相続登記をしなければなりません。そうなると、必要書類も膨大になり、大変な手間が次世代にかかってしまうことになります。

④登記をしないとペナルティが発生?
最初にもお伝えしましたが、2024年を目処に相続登記が義務化されることが決定していますので、法律が執行されると基本的に「相続してから3年以内」に相続登記しなければならなくなります。そのため、3年以上登記をしないで放置してしまうと、「過料」が課される可能性が有ります。

⑤損害賠償請求されてしまう恐れも
老朽化した建物を放置していると、壁や屋根の崩落によって他人に迷惑をかけてしまう可能性が出てきます。その場合、所有者として損害賠償をしなければいけなくなります。

⑥「特定空き家」に指定されると高額な固定資産税がかかる
建物を相続した場合に、管理を怠っていると「特定空き家」に指定される可能性が有ります。
「特定空き家」というのは、周囲の景観や環境を著しく悪化させたり、危険を発生させてしまう可能性のある空き家のことを言います。
特定空き家に指定されると、固定資産税の減税措置が適用されなくなってしまうため、これまでより高額な税金を支払わなければなりません。

⒉預金の権利が失われるリスク

預金を相続した場合には、金融機関で名義変更するか解約払い戻しを受ける必要があります。
相続手続きをしないまま10年間放置してしまうと「休眠預金等活用法」が適用され、「休眠口座」扱いとなってしまう可能性が有ります。
休眠口座になってしまうと、預金が「預金保険機構」へ振り替えられて公益活動に使われてしまう可能性が有ります。
また、休眠口座にならなくても、長期にわたり取引をせずに放置していると、民法上の「時効」が成立し、法的な払い戻し請求権が失われてしまうリスクが発生します。
預金債権の時効は、原則「5年間」なので5年間取引をせずに放置してしまうと、払い戻しができなくなる可能性が有ります。

そうならないためにも、預金を相続した場合には早めに金融機関で解約払い戻しなどの相続手続きを行いましょう。
なお、預金名義を相続人名義に変更した場合でも、手続き後に何の取引もない場合は、休眠口座や事項の問題が発生する可能性が出てきますので、くれぐれも放置してしまわないように注意をしてください。

⒊株式の名義変更をしないリスク


被相続人から株式を引き継いだ場合には、株式の相続手続きをしなければなりません。
具体的には、株式の名義変更を行い、上場株式の場合には相続人名義の証券口座に株式を移行する必要があります。
相続手続きをしないままにしてしまうと、会社から株式総会召集通知などの案内が届かず、配当金も受け取ることができません。その他の株主権も行使できなくなってしまいます。

また、手続きをしないまま5年間放置してしまうと、株式発行会社から「株主所在不明」扱いにされてしまうため、株式が「競売」で売却されてしまったり、「会社に買い取られて」しまう可能性が有ります。
通常ですと、株式が競売にあったり、会社に買い取られてしまった場合には、株主には株式の売却金を受け取る権利がありますが、名義変更をしていなければ、会社からの連絡が届かないのでいつまでも売却金を請求できないままになってしまいます。
その後、5年、10年が経過した時点で株式の売却金を受け取る権利に時効が成立してしまうので、最終的には株式の売却金がもらえないままになってしまう恐れがあります。

そうならないためにも、早めに証券会社や株式発行会社へ通知をして株式の名義変更をするようにしましょう。

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