遺言書の付言事項は相続回避にも効果があります

遺言書の付言事項とは、財産の分け方などとは異なり遺言者の気持ちや相続人に伝えたいことを書き残すことを言います。トラブルの防止に役立つことも少なくありません。
今回は、遺言書の付言事項の書くことのメリットや注意点についてお伝えいたします。

遺言書の付言事項とは

遺言書において法的効力を与えることを直接の目的としない記載事項のことを付言事項と言います。
例えば、家族へのメッセージや葬儀・納骨に関する希望などです。
伝えたいことを理解してもらうためには、付言事項を書くときに遺言の内容が曖昧にならないように注意が必要です。

遺言書に記載することで法的効力が与えられる事項は、法律で定められており、これを法定遺言事項と言います。
例えば、相続分の指定や遺産分割方法の指定、特別受益の持ち戻しの免除、指定相続人の廃除、遺贈、子の認知、遺言の内容を実行する遺言執行者の指定、祖先の祭祀を主宰する祭祀主催者の指定などです。
これらは、遺言書に記載することで法的効力が認められます。

一方、法的効力が認められない事項は「付言事項」になります。
このように、同じ遺言書に記載する事項であっても、法的効力の有無という点で、法定遺言事項と付言事項は異なります。
法定遺言事項は法的効力に関わってくるため、表現に不備がないように慎重に作成する必要がありますが、付言事項は自由に作成しても良いことになっています。

付言事項を書くメリット

付言事項は、自由に文書を作成できることから、遺言者自身の想いを関係者に伝えることができます。
そのため、家族に対して感謝の気持ちを伝えることができたり、死後の葬儀や納骨の方法などを希望通りにしてもらいやすくなったり、相続トラブルを妨げることができるなどのメリットがあります。

例えば、遺言書の内容が相続人間で不平等な内容になってしまうような場合に、取り分が少なくなってしまう相続人には不満が生じやすくなります。
しかし、そのような内容の遺言を作成した経緯を付言事項に書くことで、相続人の不満が解消されることも少なくありません。また、葬儀や納骨の方法に関しても、遺言書に書いておくことで本人の希望が明確になり、相続人がその希望を尊重して進めやすくなります。

付言事項を書くときの注意点

付言事項の効力の一つに、トラブル防止が挙げられます。「争続」を避けるための注意点を紹介いたします。
・否定的なことを書かない
特定の相続人に対して否定的なことを書き連ねると、かえって争族を引き起こしてしまう可能性があります。そのため、否定的なことを書くことはできるだけ避け、感謝の気持ちなど肯定的な内容を書く方が良いでしょう。

・付言事項が多くなりすぎないようにする
付言事項が多くなりすぎてしまうと、遺言書の趣旨が曖昧になってしまいますので、たくさん書きたいことがあるような場合には、別途手紙やエンディングノートを利用することも検討しましょう。
また、録音や録画データを残しておくことも選択肢の一つになります。書面と動画とでは与える印象が大きく異なりますので、遺言書の内容に不満を持つ相続人を説得する材料にもなります。

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