夫や婚家のお墓に入りたくないときの対処法

義理の両親と折り合いが悪く、義理の実家のお墓には入りたくない場合には「遺言書」を書いておくの良いのでしょうか?
実は、遺言書に書いただけでは、不十分になってしまう場合がありますので、その状況に応じた対策が必要です。
今回は夫や婚家のお墓に入りたくないときの対象方についてお伝えいたします。

妻は夫の実家のお墓に入る義務があるのか

結婚して夫の戸籍に入った場合に、夫の実家のお墓に入らなければいけないのでしょうか。
法律上そういった決まりはありません。「妻」だからといって夫と同じお墓、夫の実家のお墓に入る義務はありません。
ご自分の実家のお墓に入ったり、ご自身でお墓を建てることもできます。

夫のお墓に入りたくない場合に、「遺言書」を書いておけば良いように思いがちですが、遺言書ではお墓の取り扱いについて指示をすることができません。
遺言書には、残された方へ希望を伝える効果はありますが、相続人たちがその内容を守らなければいけない義務はありません。なので、遺言書にお墓についての希望を書いていたとしても、希望通りになるとは限らないので注意が必要です。

・遺言書で定められること
主に、財産に関するものが多いですが、身分関係や遺言執行者の指定なども可能です。
・相続分の指定
・遺産分割の指定
・遺贈
・寄付
・遺産分割の禁止
・特別受益持ち戻し免除
・遺言執行者の指定
・認知
・相続人の廃除や取り消し
・保険金受取人の変更など

夫のお墓に入りたくないときの対処法

夫のお墓に入りたくない場合には、夫や夫の家族と生前に話し合いをして、理解を求めておく必要があります。
何も伝えていなければ、当然のように夫のお墓に入れられてしまう可能性が高くなりますので、「同じお墓には入らない」という希望を伝えてきちんと理解を得た上で、希望の内容に応じて次のような対応をしていきましょう。

・ご自身の実家のお墓に入りたい場合
実家のお墓に入るためには、実家の祭祀主宰者の許可と理解が必要です。
祭祀主宰者とは、家の中で先祖の供養や法要についてまとめる責任者のことを言います。お墓や、仏壇、家系図などの祭祀財産を承継し、管理する権限を持っています。

実家のお墓を所有、管理するのは実家の祭祀主催者になりますので、生前に「亡くなった後は実家のお墓に入れて欲しい」と伝えて、あらかじめ理解を得ておくことが必要です。
自分よりも祭祀主催者が年上で、ご自身が死亡するまでに祭祀主催者が変更されてしまいそうな場合には、承継者となりそうな人も含めて話をしておくと安心です。
祭祀承継者は先代の祭祀主宰者の指定によって決まりますが、指定がなければ地域の慣習によって定められることになります。それでも、決まらないような場合には家庭裁判所で指定をしてもらう必要があります。

・自分のお墓を作りたい、樹木層にして欲しいなどの場合
自分のお墓を作って欲しい場合や、散骨して欲しい場合などには誰かにその手続きをしてもらう必要があります。
その際には「事務委任契約」を締結する必要があります。事務委任契約とは、葬儀の手配や役所への諸届など様々な事務を第三者に委任するための契約になります。
なので、自分の希望する埋葬方法を実現したい場合には、死後に手続きをしてくれる第三者を探して事務委任契約を締結することになります。そのほかにも、死後の諸手続きでご家族に負担をかけたくない場合や、手続きを頼める親族がいないような場合などに事務委任契約を利用される方がいらっしゃいます。

では、実際誰に委任すれば良いのでしょうか。
信頼できる親族のいる方は、そういった方に依頼するのも一つの選択肢として考えられます。ただし、配偶者のいる方だと、親族に委任してしまうと死後に配偶者や義理のご両親との関係が悪くなってしまうリスクも出てきます。
そのようなときには、わたしたち行政書士や弁護士、司法書士など資格を持った専門家に依頼するようにお勧めします。
専門家と事務委任契約を締結しておくことは、残された遺族も本人の意思を尊重してくれるでしょうし、委任先が専門家であれば義理の実家とのトラブルにもなりにくいかと思います。

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