遺言の内容を拒否できる場合と方法(その2)

前回は遺言の内容を拒否できる場合についてお伝えいたしましたが、今回は逆に内容を拒否できない場合はどのようなときなのかをお伝えいたします。

遺言を拒否できない場合とは

相続人全員の合意による遺産分割協議が成立していれば、遺言書と違う内容で遺産を分けられることは前回のブログでお伝えいたしましたが、相続人のうち1人でも協議に反対すれば遺産分割協議は成立しないため、この場合は遺言書の内容を拒否することができません。

また、たとえ相続人全員の合意による遺産分割協議が成立しても、遺言執行者の同意が得られなければ遺言書の内容が優先されることになります。遺言執行者は、遺言の内容を実現することが最大の職責となるからです。

そのほかには、財産の全部または一部を相続人以外の第三者へ遺贈する旨の遺言がある場合に、相続人全員で合意をしたとしても、その第三者への遺贈を拒否することはできません。
このような場合にまで、相続人全員による遺産分割協議が優先されてしまうと、事実上遺言の意味がなくなってしまうからです。もちろん、この遺贈が相続人の遺留分を侵害しているような場合であれば、遺留分侵害額請求をすることは可能です。

包括受遺者が包括遺贈そのものを拒否する場合には「包括遺贈があったことを知った日から3ヶ月以内」に遺贈放棄の申し立ての手続きを家庭裁判所で行う必要がありますが、この期限を過ぎてしまった場合には包括遺贈そのものを拒否することはできなくなってしまいます。

遺言執行者の業務妨害をした場合には

例えば、相続人以外の第三者へ財産の全部または一部を遺贈する旨の遺言があるにも関わらず、遺言執行者を無視して、相続人が預金を解約してしまったり、不動産を相続人名義に変更してしまった場合などは、それらの行為は全て無効となります。
預貯金や不動産は相続人の物にはなりません。

また相続人が、本来相続人以外の第三者へ遺贈される相続財産を勝手に譲渡してしまっていた場合(相続財産の不動産を一旦相続人名義にした上で、売却してしまった場合など)はどうなるのでしょうか。
・その売却した相手が遺言執行妨害になると知っていたときには無効
・その売却した相手が遺言執行妨害になると知らなかったときには有効
となります。
現実的には、相続人以外の者が遺言の内容や遺言執行者の有無を知ることは少ないので、これらの売却等は有効になる可能性が高いと言えます。
なので、遺言執行者は速やかに遺言執行手続きをする必要があります。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。