相続放棄は「照会」で確認できます

自分より相続で先順位の人が相続放棄をしたかどうかを確認したい場合、どうすればよいでしょうか?
その相続人本人に尋ねるのが一番簡単な方法になりますが、疎遠になっていると、あまり連絡をとっておらず、相続放棄をしたかどうかを尋ねるのに二の足を踏んでしまうこともあります。
そういった時に利用できるのが「相続放棄の照会」です。今回は、相続放棄の照会をするための家庭裁判所での手続き方法をお伝えいたします

相続放棄の申述の有無についての照会手続とは

亡くなった方(被相続人)の遺産のすべて(プラスの財産である「資産」とマイナスの財産である「負債」の両方)を放棄することを相続放棄といいます。そして、原則として、被相続人が死亡し、自分が相続人となったことを知った日から3カ月以内であれば相続人は相続放棄をすることができます。

第一順位の相続人が相続放棄をすると、相続権が次順位の相続人に移ることになります。

相続放棄は家庭裁判所で行う審判手続きになります。
時間が経つほど、裁判官に時期や経緯などについて詳しく説明するのが困難になってきますので、できるだけ早期に相続放棄した方が確実に相続放棄ができるので安心かと思います。

先順位の相続人と次順位の相続人が疎遠である場合などは、先順位の相続人が(限定承認または)相続放棄をしたかを確認するために、次順位の相続人などは家庭裁判所に照会をする手続をとることができるのです。

照会を申請するには

(1)照会を申請できる人

相続放棄の照会ができる人は、下記の2通りです。
● 相続人
● 被相続人の利害関係人。例えば、被相続人にお金を貸していた債権者など

(2)照会を申請する裁判所は?

相続放棄の照会を申し立てる裁判所は、被相続人が亡くなった住所地を管轄する家庭裁判所です。なお、被相続人の最後の住所地は住民票除票又は戸籍の附表で確認することができます。

(3)申請の必要書類

まず、相続放棄の照会にあたっては、照会者が相続人、利害関係人を問わず下記の2種類を家庭裁判所に提出する必要があります、
● 照会申請書  
 ※相続放棄の申述の有無の照会をするための申請書は、提出先の各家庭裁判所によって、書式が少し異なりますので、照会先の裁判所のHPから申請書をダウンロードするとよいでしょう。
● 被相続人等目録

また、下記のとおり照会時に原則として必要となる添付書類については相続人と利害関係人で異なります。

 [相続人が照会する場合の添付書類]
● 被相続人の住民票の除票(本籍地記載のもの)
● 相続人と被相続人との関係が分かる戸籍謄本
● 相続人の住民票(本籍地記載のもの)
● 返信用封筒と返信用切手
 ※弁護士に照会手続の代理を委任する場合は委任状
 なお、相続放棄の照会において代理人となれるのは弁護士のみです。
 ※相続関係図(手書き可)の提出の協力を求められる場合があります。

 [利害関係人が照会する場合の添付書類]
● 被相続人の住民票の除票(本籍地記載のもの)
● 照会者の資格を証明する書類(個人であれば住民票、法人であれば商業登記簿謄本または資格証明書)
● 利害関係の存在を証明する書面のコピー(ex 金銭消費貸借契約書、債務名義の写し)
● 返信用封筒と返信用切手
 ※弁護士に照会手続の代理を委任する場合は委任状

なお、相続放棄の照会において代理人となれるのは弁護士のみですが、照会者が法人の場合には申請会社の社員を代理人とすることができます。この場合には、代表印のある社員証明書の提出が必要です。
 ※相続関係図(手書き可)の提出の協力を求められる場合があります。

(4)手数料

照会の手数料は無料です。   

他の相続人が相続放棄しており自分に相続権が回ってきたら?

被相続人の遺産が負債ばかりで、相続放棄の照会手続きの結果、自分に相続権が回ってきてしまったような場合には、自分に相続権が回ってきたことを知った日から3カ月以内に相続放棄をすべきでしょう。

また、被相続人に負債があった場合、被相続人の預金を使ってしまったり、財産を売却するなどしてしまうと相続放棄ができなくなります。このように思わぬ形で相続放棄ができなくなり、負債を相続させられることもありますので、相続放棄で分からないことがあった場合には、専門家に相談をしながら進めていくということもぜひご検討ください。

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