同性パートナーに財産を譲りたい

公正証書遺言を作成するなどの方法により、死後、財産をパートナーに遺贈することができます。
ただし、パートナーは相続人ではないため、遺言がなければ同性パートナーは財産を譲り受けることができないことと、親族から遺留分侵害額請求を受ける可能性があることに注意が必要です。

同性パートナーは相続人ではない

相続人の範囲は民法によって定められており、配偶者は当然に相続人になりますが、同性パートナーは配偶者ではないため相続人にはあたりません。

遺言による遺贈

自筆証書遺言は、自分1人で、費用もかからず手軽に作成することができます。
ただし、その様式は法律で厳格に定められており、誤りがあると無効となってしまうケースもあります。また、自筆証書遺言は、遺言をした人の死後、家庭裁判所で遺言の状態を確認する検認手続きを得なければ、有効な遺言として取り扱うことができません。
検認手続きを経ずに遺言書を開封した場合は、遺言が無効になってしまう場合がありますので注意が必要です。
自筆証書遺言を託されたパートナーは、遺言者の死後、遺言の所持人として家庭裁判所に検認の申し立てをします。
検認が申し立てられると、裁判所は、遺言者の法定相続人に対して検認手続きに立ち会えることを通知し、検認手続きでは、出頭した法定相続人と申立人であるパートナー同席のもと、裁判官が遺言書をそれぞれに提示します。
遺言者が生前に、同性愛者であること、同性パートナーがいるということを、親族に明らかにしていなかった場合、検認手続きで遺言者のパートナーは、生前の遺言者との関係について、遺言者の親族に証明する必要があるかもしれません。
公正証書遺言は、公証人役場で2人の証人の立ち合いのもと、公証人に遺言の内容を口授し作成します。事前に公証人との遺言の内容の打ち合わせと確認をしなければいけないですし、公証人費用も必要になりますが、公正証書遺言は、遺言をした人の死後、自筆証書遺言の検認による手続きを経ることなく、遺言として財産承継の手続きに取り掛かることができます。

遺留分侵害額請求権

直系親族および配偶者は、相続人として遺留分侵害額請求をすることができます。
遺留分侵害額請求とは、遺言により自己の遺留分(相続財産の一定の割合について相続権を保障する制度)が侵害される相続人が相続財産に対して、遺言にかかわらず一定の割合の権利主張ができる(侵害された相続分を取り戻すことができる)ことを法律が認めたものです。
遺言者が全ての財産をパートナーに遺贈するという遺言を作成しても、遺言者に法律上婚姻関係にある配偶者、親、子がいる場合には、それらの相続人は遺留分侵害額請求権に基づき、相続財産の一定の割合を引き渡すように求める調停や訴訟を遺言者のパートナーに対して起こすことができます。
遺言者がパートナーとの関係を、親族に明らかにしていなかった場合など、亡くなった遺言者の全財産を遺贈により承継したパートナーの存在を初めて知ることになった親族が、パートナーとの間で遺留分について紛争状態になることは、必ずしも遺言者が望むことではないと思います。
パートナーと親族の間で、遺留分の紛争が生じないように工夫した財産の分け方を、遺言作成の段階で考えておくことが必要です。

遺言によらない財産承継

法律上当然に相続することができない同性パートナーに財産を承継する方法として、遺言書による方法のほか、同性パートナーを受益者とする信託を利用する方法や、同性パートナーを保険金の受取人とする生命保険契約を利用する方法などがあります。
また、養子縁組をすることで、法律上の親子関係が形成され遺言がなくても相続人として財産を承継することができます。

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