老後の財産管理を同性パートナーにお願いしたい

あらかじめしておくべき手続きとしては、任意後見契約をしておくことが挙げられます。
将来何かあったときにパートナーの財産管理をすることができます。

同性カップルでは法定後見制度が利用しづらい

例えば、認知症等判断能力が衰えて、財産の管理処分や契約の締結などの法律行為をすることが困難となった場合に、配偶者はじめ親族等の申し立てにより家庭裁判所が、本人のために法定代理人たる成年後見人を選任するのが法定後見制度です。
成年後見制度を活用することにより、本人の権利や財産が守られるほか、家庭裁判所の監督のもとで成年後見人が本人の財産を管理するので、本人の死亡後の相続などでトラブルを未然に防ぐことができることも期待できます。
しかし、民法では後見開始の審判について、その申立権者を、本人、配偶者、四親等以内の親族そして市町村庁などに限定しているので、同性カップルのパートナーはたとえ一緒に暮らしていたとしても、法律上の配偶者となれないため後見開始の審判を申し立てることができません。
同性カップルとして、一緒に暮らしているパートナーこそが本人の判断能力の衰えを最も敏感に察知でき、後見制度を利用する必要性を日常生活の中で感じるのにも関わらず、パートナーの判断能力が衰えても、法定後見制度を利用できないのは酷なことかもしれません。
パートナーが申立権者である親族に、法定後見制度の利用を打診するということも考えられなくもないですが、同性カップルであることを親族にカミングアウトしていない場合などには、スムーズに話ができるとも限りません。

任意後見契約の活用

任意後見契約とは、任意後見契約に関する法律により定められた契約ですが、自分自身が将来判断能力が衰えたときに、契約の締結や財産管理など、後見人となって自分の代理をしてもらう人を、あらかじめ任意後見人として選んでおく契約になります。
契約当事者は、本人と任意後見人となる予定の人ですが、公証人役場で公証人がその契約を作成します。
任意後見契約の内容は、判断能力が十分あるうちに自分自身で作成するので、自分自身が将来判断能力が衰えたとしても、どのように任意後見人に財産を管理してもらいたいのか、身上保護(生活のサポート)については、どのようにしてもらいたいのか、細かい内容まで決めることができます。
任意後見契約に基づいて任意後見人になる人は、任意後見契約の締結後、本人の判断能力が衰えたというときに、家庭裁判所に対して、任意後見人を監督する任意後見監督人の選任を求め、家庭裁判所が任意後見監督人を選任したときに、任意後見人としての業務が始まります。
任意後見契約では、誰を任意後見人にするのかは本人の意思で選ぶことができますので、同性カップルのパートナーを自分自身の人後見人に選ぶことができます。また、互いの関係を理解している第三者の専門家(行政書士や司法書士、弁護士など)や、法人(社会福祉法人等)に任意後見人への就任を依頼して任意後見契約を締結することも可能です。
なお、家庭裁判所が選任する任意後見監督人は、第三者が選任されるので、任意後見監督人には2人の関係を説明する必要が出てくるかと思います。
いずれにしても、同性カップルでは法定後見制度を利用することが困難であることが多いため、任意後見契約によりお二人の老後の生活の安定を図ることは、財産をめぐるトラブルを未然に防ぐことにもつながります。

弊所では、成年後見契約のご相談を随時行っておりますので、お気軽にご相談ください。

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