LGBTカップル向け住宅ローン

これまでは住宅ローンを組んで不動産を購入する場合、金融機関は常に回収リスクを念頭において融資判断を行っているため、返済中にたとえ借主の一方がなくなったとしても、直ちに法定相続が発生するような関係であるような配偶者や親子でなければ、共同で融資を受けるのが難しいというのが実情でした。

LGBTカップルであっても、遺言による贈与(遺贈)は可能ですが、法定相続が発生する関係にはなく、以前は、LGBTカップルが収入を合算して共同融資を受けることは非常に難しいという判断でしたが、LGBTのカップルを公的に認める自治体の増加や多様性への意識の高まりを受けて、LGBTカップルにも利用できる住宅ローンを提供する金融機関が増えてきています。

今回は、各金融機関が打ち出しているLGBTカップル向けの対応と主な利用条件をお伝えいたします。(2021年6月現在)

・みずほ銀行
ペアローン、収入合算ローンにおける配偶者の定義に「同性パートナー」を追加
主な利用要件としては、渋谷区の発行するパートナーシップ証明書の写し、または任意後見契約及び合意契約に関わる公正証書の正本または謄本、及び任意後見契約に関わる登記事項証明書のいずれかが必要です。

・三井住友銀行
連帯債務方借入における配偶者の定義に「同性パートナー」を追加
主な利用要件としては、自治体の証明するパートナーシップ証明書の写し、またはこれに類する証明書の提出。
団体信用生命保険への加入が必要です。

・広島銀行
収入合算や担保提供における配偶者の定義に「同性パートナー」を追加
主な利用条件としては、
地方自治体が発行する同性パートナーシップを証明する書類
合意契約に関わる公正証書の正本または謄本
任意後見契約に関わる公正証書の正本または謄本

・琉球銀行
住宅ローンにおける収入合算者(連帯債務者、連帯保証人)の定義に「同性パートナー」を追加
主な利用要件は、「本人確認書類」及び「住民票」での同居の確認が取れること
(自治体のパートナーシップ証明書や公正証書は不要となっています)

・京都信用金庫
住宅ローン(連帯債務型、ペアローン型、単独債務型)の借入における配偶者の定義に「同性パートナーの方々」を追加
主な利用要件は、
自治体の発行する同性パートナーシップ証明書またはこれに類する書類の提出
購入した住まいに転入後、上記証明書を取得し提出すること
当金庫所定の保険会社の利用
当金庫所定の団体使用生命保険への加入

・川崎信用金庫
同性パートナーを住宅ローン審査において「年収合算者」や「共有者」、「担保提供者」「居住者」として扱う
主な利用要件は、「川崎市パートナーシップ宣誓制度」で認められたカップルであること

そのほかネット銀行でも、住宅ローンが可能なところもあります。
SDGsの目標の一つにジェンダー平等が掲げられていることもあり、多くの金融機関がLGBTへの対応を進めており、今後利用できる住宅ローンを増えていくものと思われます。

ただし、実際におふたりでローンを組む際には、関係解消をした時のリスクも頭に置いておく必要があります。
法律婚の場合であれば、離婚に当たって財産分与を求めることができますが、LGBTカップルの場合は、現状法的な婚姻関係にないため、相手に財産分与を求めることは難しく、トラブルに発展してしまうケースもあるからです。
このトラブルを回避するために推奨されているのが、パートナーシップ契約書の作成です。
万が一、関係を解消することになった場合の住宅ローンや住宅をどうするのかをあらかじめ話し合いをして決めておき、決定した内容を公正証書として作成しておくと、トラブルを解決するための指針とすることができます。

また、カップルのうち、どちらかが死亡した場合に備えてお互いの遺言書を作成しておくこともお勧めいたします。
住宅ローンの返済中にパートナーがなくなってしまった場合には、団体信用保険に加入していれば残債の返済は免除されることになりますが、遺されたパートナーは法定相続人ではないため、法定相続人である遺族が相続権を主張してきた場合、2人で購入した家に住めなくなってしまう可能性があるからです。
遺言作成については、弊所では常にご相談を受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。